2004/07 Diving Log

浅く 深く 暗くて静かな夢  04/07/31 (土)

夜のはなびら

海草に蹲る生き物はウミウシ(←写真)。
光りを失った海に沈み、見付けた花弁みたいなコイツは、ふいと海草から離れて びらびらびらと泳いで見せてくれました。

カラダというものは、どんな生き物も 実に無駄なく出来ているモンです。
綺麗に波打ち泳ぐ姿に静かに感動。

ナイトダイビングが終わり、海面に顔を出したのは午後8時50分。潜水時間43分。
終わってみれば、海から出るのがとても勿体無くて、でも 帰らなくちゃと歩き出す。
知る筈の無い夜の海の中に、アタシが身を沈めた事、帰り道 車の中でずっとMちゃんとお産の話しなんかで盛りあがった事(Mちゃん、やっぱりピンポン玉は 鼻の穴には入らないと思う…余談…)、

ショップに戻るとSさんが「どうだった?」と笑って待っていてくれた事、、、

一日があまりにも濃くて、アタシはその夜 疲れて海よりも深く眠れるだろうと思っていたのに、眠りは浅く浮き沈みし、頭の芯が熱いまま冷めなくて、青海島に何時までもいる説明し難いパッチワークの様な夢が、とうとう朝まで繰り返されましたよ。

 

夜の うみ 04/07/28 (火)

子供の頃、お盆になると行く父親の故郷。そこも小さい港があって、その広場で盆踊りがあった。
小さい港の盆踊りや夜が、子供のワタシに胸苦しい様な切ない思い出として残っているのは、早くに死んでしまったという父の父親と、まだ幼児のまま やはり死んだ叔母を親戚一同で思い出す夏だったからだと思う。
お盆になると遠く離れた親戚一家も、普段空家にしている父の故郷の家にわらわらと集まり、まずお墓まで行き死んでしまった二人の霊を迎えて家に戻る所からお盆が始まる。

道々、大人は私達子供に、「ほら、今 おじいちゃんとおばちゃんがついて来ているんだからね、大人しくしてないといけんよ。」と真顔で言うので、お盆は何所にいても、ずっと見られている様な気がしていた。
あれは、5人兄弟の父方の親戚の家が それぞれ子供を連れて集まるんで、合計10人の子供が騒いだら手に負えないってんで、脅しをかけて行儀良くさせていたんだと、今になっては思うのだけど、普段空家になっている広い田舎の家の薄暗さも手伝って、とてもとても怖い話しだった。

お盆の間の三日間は深夜までも、港では踊りが続けられ、私も踊りの輪に入ったり抜けたりして夜を過したが、踊りの輪から外れると そこにはうねうねと揺れる黒い波を湛えた海があった。
囲われた港の波は油の様に重く揺れ、田舎の夜の海と空は、呆れる程に明かりが少ない為、そのまま彼方で繋がっている。

揺れる黒いその波に足を入れたら そのまま踏締められて歩いて行けそうな気持になる。
と、同時にその下に 何を抱えているかと思えば恐ろしく、じっと眺めていたのを思い出す。

それが、私の子供の頃の記憶にある夜の海です。

大人になった今でも、やはり夜の海は黒く揺れている。
静かに潜行し、ライトを点け アタシはこんな事をする様になったんだわと、なんとなく神妙。
ダイビングをやってなければ、恐らく一生 夜の海の中に身を沈めている事はないのだわ。
ライトで照らした先だけが、掘られたトンネルみたいに明るく見える。
出口が簡単にある様な、そして 自分は今、一体何所にいるのか全く解らない。
エアーの排気音で賑やかなのに、景色はあまりにも静寂。

海草の藪と岩の中で、ふと辺りを見ると誰もいなくなった。
黒い中にアタシと岩と海草だけがいる。
ライトを持ってゆっくり回ってMちゃんを探す。

インストラクターMちゃんは、直ぐ上にいたのだけども、アタシはあの時 やっぱり目を奪って離さない揺れる黒い夜の海を なんだか胸苦しくも懐かしく思い出したので、ちょっと書いてみました。

                                                    …しつこく 続く@笑

 

澄んだ 夜 04/07/26 (月)

ミノカサゴは 綺麗な衣装のまま眠る

結局緊急浮上を後日やり直しって事にして、波と浮上で目を回したアタシは陸地によろよろと戻る。
浮上方法の理屈は解るの。ホントなのよ。
人間、道理ばかりじゃないのよ。

ナイトダイビング講習に向けて、青海島の食堂のおかあさんが私達に晩ご飯を作ってくれる。
オカズはなんと天然の鰻。お味噌汁の具は河豚。
美味しくて涙が出そうよ。おまけに¥500ぽっきり也。
こんな所で運を使ったら、夜の海での運が無くなるんじゃないか?
なーんて 一瞬頭を翳めるアタシは何所までも貧乏性。

確実に時間は流れ、海は墨を流した様に真っ黒け。
おっそろしー!

が、まぁエエ。
兎に角沈む。
海というものは、空と同に似て、翳んだり 濁ったり 透き通ったりするもので、それは以外にも陸地から見る様子じゃ良く解らない。
この日の青海島は感激する程 青く抜け それはそれは美しかったのだが、あぁ やはり夜の海もなんて澄んでいるんだろ。

帳の降りた海の中。
生き物達は眠りについたり、眠りから目覚めたり。
何度も潜って知っている青海島の、知らない青海島。

暫く行くと、立派なエビがいた。
少し行くと、又 立派はエビがいた。
アタシは水中ライトを手に持って、「天丼ーーー!天丼ーーー!」
と、脳内で叫びつつ更に進んで行きました。はい。

…続く    

 

海洋講習7Diveで マスターできる? 04/07/25 (日)

まだまだヒヨコダイバーのアタクシなので よくは解らないのだけど、ダイビングは安全か、と言う事については、海況天候の判断以外に ただその本人の技量と経験と性格と、そして何よりココロの状態にあるものなのではなかろーかと思うのよね。

講習項目 マスク脱着、BC(エアーを入れられるベストみたいなやつ。これはタンクやレギュレーターも繋がっている。)脱着、レギュレーターリカバリ。その他諸々…
マスクに海水が入っても、外れても、口からすぽーんとレギュレーターが外れて 何所にいったか解らないでも、ましてやエアーまで切れてしまったとしても、カッパの様に平気でいられる精神は、それ以外の何者でもないじゃないですか。

本来行ける筈の無い海の底。
貝掘りやビニールプール遊びじゃあぁないのよ。解ってなきゃいけないのよ と、訓練は続く。

次なるは海の底でエアーが無くなった時の訓練也。
一つはバディについてる予備のオクトパスを咥え、二人一緒に浮上する方法。
そして、バディのレギュレーターを二人で二呼吸ずつ分け合いながら浮上する方法。

兎に角二人でレギュレーターを交替で吸いながら浮上ってのはオソロシイ。
2回で相手に戻せなくて、アタシは3回吸ってしまうじゃーん。
きっとこんなじゃ、実際の緊急時には アタシはレギュを離せないかーもねー。多分ねー。
困ったねー。
浮上したら自分のBCに自分で息を吹き込んで膨らませるんだけど、アタシは浮上時マスクは完全に水没して真剣にマスククリアもしなきゃならないし、BCに空気を入れつつ呼吸しようとすると波が高笑いでやってくるし、死ぬ思いのアタシは インストラクターMちゃんのタンクを、これでもかと抑えつけて顔を上げBCを膨らませたわよ。

殺人ですね。

人間って哀しいですね。

………ションボリ

エアーの無くなった時、海底でバディ同士がサインを出します。
エアーが無い。苦しい。エアーをくれ。
ちょっと待て。確認。こっちへ来い。二人で近づいて行く。
そういえば、アタシはこれと似た事やりますよ。ほら、スーパーのレジの支払いでお金が少ないのに気が付き、たまたま旦那がいた時、

アタシ お金が無い。
     苦しい…。
     お金をくれ。

旦那  ちょっと待て。
     財布を確認。
     こっちへ来い。  

…二人で近づく。お金を渡す方は緊急時なので、近づくまでにお金を財布から用意しておく。
っての、やりませんか?みなさん。

 

ナイトダイビングの お土産 04/07/22 (木)

昼間二本海洋講習を終わらせて、次はナイトダイビングへ…太陽は優しく日本海へ沈む アタシも追う様に日本海へ沈む

でかいサザエを我が家とするヤドカリ お前 でかいなー! そしてあちこちに物凄く美味しそうなエビが散歩する!天丼ーーーーー!

ガイドMちゃん 不安な夜の海を優しく導いてくれる

カワハギは皆海草を咥えて眠っていた

どっと蠢くゴンズイ玉 ぬぅと蠢くタコ

極小ミミイカ お前に逢いたかったよ… そしてナイトダイビングが終わる…

 

首 クラゲに刺されて 痒い痒い! 04/07/23 (金)

昨日一日私はフリー。で、アドバンスダイバー海洋講習に行って参りました。
おまけに夜もナイトダイビング。

何から書いたらいいのだろうか。
あまりに充実し過ぎて、何所を摘んだらいいのか解らない。
解らないけど、こんな中身の濃い時間を過せたぞ、何よりスゴイぞ、どうだどうだ!

大威張り。

まーず…スキンダイビング(素潜り)は、この世界に足を染めるまでアタシは他人事だったんでね、抵抗と衝撃と感動があることなのよ。
海の中で逆立ちして海底に手をつくってのを、二年前スクーバーダイバー講習でやった時、こんな事をアタシがやっていいのだろうかと思いつつ、海底に触った感動は物凄かった。
それは今でもそうで、ぐぅと頭を下げて行く時、見える海面はとても美しい。

美しいのよ。ホントです。

そしてその後、哀しいのです。
ヘッドファースト講習(頭から垂直に素潜りするやつ)で、アタシはその美しい海面を見た直後、世界が回りここは一体何所なんだろう、何やってるんだろう的景色になって浮上してしまう。

出来そうで出来ないヘッドファーストを延々と繰り返しながら、インストのMちゃんが見せてくれる、海の生き物のよーに、とても綺麗なスキンダイビングを、アタシはぼっこぼっこ 海面の波に遊ばれつつ眺めておりました。

で、、

やることは多いので、とりあえず次。

次の事やらねばならぬ。
と、よろよろとタンクを背負い、そそくさと海へGOー!で、なんだかんだと一番恐ろしいマスク脱着のお時間を迎え、これはお風呂特訓の成果を見せなくては!とココロに決める。

ええか、ここはお風呂なのだ!

と、言い聞かせ どりゃ!とマスクをきちんと外して着ける。 
精神的にマスクの中のエアー層に、アタシは陸地を引き摺っていて、小さいエアーの空間に相当精神的なものを支えて貰っているのだけども、マスクとアタシの間にも、とうとう大海がこんにちは。

バンジージャンプするが如く度胸がいって、
しかし、外してみると こんなものか?と思えるし。
でも、又やれといわれたら カラ威張りの虫はマッハで小型化してしまうスキルだわ。
あー、ドキドキ。
ドキドキしつつ次へつづく…

 

水圧より 人の圧力が苦手@余談 04/07/20 (火) 04/07/22 (木)

午前、ダイビングステップアップの為の学科講習を受け、仕事がある為に中断した残りの学科を夜受講。
二年前、ダイビングのカード取得の為に初めて受けた講習と、私がすこーしだけ違うのは、話している事の意味が解るということかなー。

二年前は話しを聞いていても、それが一体どういう事なのかってのが、てんで絵空事でした。
言葉の意味が解るというのは、ふかーーーい事なのです。
知るってのは だからエライのだね。

そして、勉強と訓練をしてもっと解って行くと、アタシは一つ大人になれるのね。
この夏は頑張ろうっと。
もう、すっかり大人だけどー。