2005/05 Diving Log

話は ナマコに戻る 05/5/19 (木)

月に一度のダイバーだから、日々変わる海の水の変化はわからない。
けど、今回(と、言っても既に一週間以上も前になる)の海は、先月ワタシが潜った海とは違い、煙ったよーな色だった。
まさか ナマコの放精のせいだとは思わないけど、濁った海は何かを含んでいるんだろう。
見えないけれど、誠にこれは全部 ただの水じゃないんだよなぁ。

随分前だけど、高知柏島 竜の浜で潜った時、こりゃ青海島紫津浦の春濁りだぁと思う強い濁りがあったのに、途中でさーーっと雲が晴れた様に濁りが消えて、そりゃ綺麗な青い砂地が現れた事があった。
イキモノを抱いて混濁してみたり、吹く風のよーに潮が動いたり、そしてそれを見ることが出来るワタシは幸せだよ。

何度潜っても 海はおもしろいもんだ。イキモノもおもしろいもんだ。

ナマコのヤツは 放精の時じゃなくても、時々こうして立ち上がってみたりとかするのかな。
アメフラシも揺れるカジメの先っちょに くぅーーーーっつ!と爪先立ってみたりする。
おぉ お前 何をしたいのか?と思うが ちょこっとだけの接点で立ち上がる姿は本当にかわいらしいもんだ。
が、ナマコも似たような事するんだ。
こんな不細工なカラダつきで 生活先般やる気ナシ、向上心もみられません。少し清潔にしましょう ハンカチ ティッシュは忘れずに。てな、学校の先生から注意受けそうな態度 風袋なのに、みなおすやん。

イキモノが生まれたり死んだり、そりゃ きっと莫大な数 毎日そうだろう海。
濁ったり晴れたり ナマコが立ってみたりとか、そんな事が繰り返されて きっと今のこの時間も、あの底では何かが起こっているんだとか そう思うとさ わあーーっとなんでか とても嬉しい。

 

つなぐ こと 05/05/18 (水)

アメフラシの卵 海そうめんと呼ばれるもの

ウミウシの卵 小さい体でどうしてこんな 大輪の花を描くのだろうか

ダイバーにとって価値薄い、誰も採らない山の柿の様な写真二枚。
潜らない貴方、向かって左は春の海にわんさか見られるアメフラシの卵で、世に言う”ウミソウメン”。
で、向かって右の白いのは 貝殻を持たない巻貝の仲間 ウミウシの卵です。
ダイバーにとっては 当たり前にこの時期見られるのでね、誰一人 これらにカメラを向けようとしませんよ。

ワタシはそれでも きっと、これらのものはずっと大好きだ。

ワタシも子供がお腹に出来たとき、オノレは動物なのだと思った。産んだ時もそうだ。
理屈ではない イキモノに計られた道に畏れたのだ。
決められたこととは 人間が標語の様に作るものと違う。
ワタシ等の世界と ワタシ等のカラダにもある法則とか生理とか。
決められたことは 止められない。生き物の一つであるワタクシに どんどん人間の形が膨らんだ。
これらの卵を描いたものも、ワタシのようーに そのことをカラダで知って なんてことだ!

とか、軟体動物頭脳で おぉおぉ!とさ、チョットは思った、、、、、のかな?

 しつこいですが 明日に続く。

 

夢の 矛先 05/05/17 (火)

今日も疲れた。
ぐぅっと押しつぶして持ち帰る愚痴の塊。くそーくそーくそー!
だけど あの、ナマコは愚痴らない。なんてエライのだ。なんてね。

笑って下さい。今日も仕事してて ふと…ナマコが立ちあがっていたよなぁ…なんてニヤケてみたりとか。
むふ♪
本当はナマコはナマコ的私見と立場で 人間には解らない愚痴を吐いているのかもしれないけどね。

ワタシが、海底に転がる無抵抗無防備なナマコに感情移入するのは病んでいるのだろーか。
多分 少し そうだろう。
海のイキモノの姿と生態に、素朴さを見つけて安堵するのは ここんとこ一部に広がる田舎ブームに似ている。疲れた人は素朴なものに夢をみてしまうのだ。
ワタシ計らずも旦那の転勤に付き合い、県内の田舎で暮らして来て、とうとう山口市のハズレに家も建てた。
が、結論。

田舎に 夢をみるなー!

他所の田舎の色合いは知らない。
だけど、山口の田舎は山口市に限らず閉鎖的。
変わること、違うことに抵抗があり、慣例が常識の秤である。
情は深いが目立つととたんに足を引く。自然豊かな素晴らしさと 田舎暮らしの味はびみょーに違う。
辛いことだ…飛び立つ足も手段も無いナマコよ、お前もそう思うかっ!

さぁて、生き方の多様性。あぁ!なんていい言葉だ。
生き方のみならず、姿カタチの多様性もありの海の懐。
その中で、一見植物の姿をした動物がおります。ウミシダなんですが どういうものかというと一株の草。
山の影に生えているシダ植物を束ねたものに似るが ウミシダは動物らしぃ。
岩でじっとして、わっさわっさと波任せに揺れる姿は 誰がどう見てもチョット派手な植物(海草)である。
普段動く事も無いが、噂では葉っぱに似た体を羽のようにして 海の中を時々泳ぎ移動するらしい。

ウミシダ

でも、そんな事 見るまで信じがたいことだ と、思っていたんですよ。
それがさ、みたのよ みたの!ウミシダが歩行してるところをよ。
勿論カメラを向けたわ。
でもね、使い慣れないマクロレンズを付けたままで、残念ながらウミシダは何枚撮影してもピンボケ。
無知でイヤね。こういう時、ショップで借りたマクロレンズを外さなくちゃいけないんだって 知らなかったんだもん。
勿体無い事をしたわ。ウミシダは、一つ一つの足(?)を蛸みたいに動かして岩場を登っていったのよ。

もーホントに その歩みは
漫画の

ウミシダが言うの。

「だからね、植物の姿だって思うからいかんのよ。俺は一度も自分の事 海草の仲間だとか言ってないからね。解る?思い込みってのはさ、思う側の 頭の浅さの鏡なんよ。経験的な常識は 大事であり無意味でもあるよ。一時流行った”バカの壁”ってヤツよ。
アンタが知らないものが そら 世の中莫大あるんだし。」

と、蛸歩きしながら ウミシダが横目でワタシを見たの。
なーんて ね。広い世界万歳。

…まだ 続く

 

海の宝石 だそーな 05/05/15 (日) その2

ナマコがむぅと立ち上がった写真ばかり、こう並べていると流石にナマコ好きのワタシもね…
それに、ワタシはゲテモノ好きとか、不細工好みとか、そんなのでもないです。
あまりにも素直に、無抵抗無欲に生きているナマコを見つけると、なんとなく日々の雑多や人の縺れを考えたりとかさ、あるのよね、、ほら、悩み多い人間だもの。
愚痴る言葉も知らず、海底の砂を素直にかみ締めては捨て進むなんて、深ぁ〜いじゃない ねぇ。

でもまぁ、気分を変えて海の宝石と言われるらしいウミウシ。宝石ですよ ほうせき!
なのに うちの娘はこのウミウシも、ナマコとかアメフラシと同じ扱いで、写真を見ては

きしょくぁるぅーーーっ!!」

と眉を顰めますが。
娘よ、よくお聞き。実際海で見付けると、浜辺で綺麗な貝殻を拾ったよーな気持ちになるのよ@母の意見。

 

ダンゴウオは ごまサイズ 05/05/15 (日) その1

現在水温16℃。
寒い季節、ぽちっと岩場に貼りついている アイドル的扱いのダンゴウオ。そろそろ何処かに旅立ちそうな予感。
ガイドのSさんは、どうも朝からダンゴウオの無事を心配している雰囲気。
で、何時もの場所にダンゴはおらず、Sさんはダンゴの居た筈の岩の上で昼寝しているナマコを引っ剥がし、ここにいたのにー!なんて探してる。
ぉお!なんて事だ。ワタクシの大事なナマコは あぅぁぅと驚き身悶えているではないか。
ダンゴの行方を心配する横で、ワタシはナマコの身体を心配する。

結局今までダンゴが居なかった岩に、新顔ダンゴをSさんは ばしっと発見。
よく見つけるもんだよ。ダンゴの存在よりも これを海底で見つける能力に驚きます。
海の中で見るものは、陸地で見るより大きく見えるのだよと言いますが、それでもダンゴウオは3oくらい?いや5o?。
遠い空から 鳥が獲物を見付ける力に匹敵する。いえ、、、誉めているんでっす♪

てな事で 

ファイルが重たくなるので、チョットけ大きい写真のダンゴは別ページにしました。

 

誠にイキモノだと 納得する立ち姿 05/05/14 (土)

海洋生物に詳しくも無く、ダイビングも毎度よろよろと潜っては、ピントの甘い写真を撮るばかりですからね、個人的にナマコの放精を観て大変な充実感をもっておりますが、さて ワタクシの語りでその思いが伝わるかどーか…@前書き

少し前、ショップのSさんより、「ナマコの放精はナイトダイビング時に終わったよ。」と、そう聞いてましてね、確か昨年は昼間放精した癖に、気紛れなイキモノよなぁとがっかりしていたんですよ。
この度、潮も中潮になっているし、まさか遭遇するとは思いませんでしたね。
嬉しい”まさか”ですけどね。

ナマコなんて海底に、散々転がっているものだから、放精放卵なんて時期が来れば カラスが カー♪と鳴く位簡単に見られるんじゃないかと思うかもしれませんがね、これだけいても頑張って狙ってみても、なっかなか観れないもんなんですよ。
海のイキモノの行動や遭遇なんて 基本的にはそんなモンですし。
放精放卵のタイミングを、人間の我々は知り得ませんからね。

ただ、海で一人放精しても、辺りのナマコも同調して貰わないと、こればっかりは貴重な行動が無意味なものになってしまうだろうから、何かの条件や合図が彼等の社会で ばしっ!とある筈。
言葉を知らない彼等に伝わる合図、それは一体なんだろう?

昨年、うちのショップのガイドさんが観た時は、ナマコがひょっこり立っていて あれま?と、思いながら進んで行くと、至る所でナマコというナマコが 俺もワタシも 俺もワタシも 俺も俺も…と一わらわら立ち上がっていたと言う。
美しさとは程遠かったでしょうが そりゃ壮観だったろうなぁ。

今回 ワタクシが見たのは記憶するだけで4〜5固体だけ(中途半端に立っていたヤツも含める)。
トンネルを潜り抜けた所の真ん中で、いきなりその舞台を見たのだから、妙にドラマチックだったけど、この一角を離れると、やっぱりごろごろと転がるその他大勢のナマコは全て 野良犬の糞みたいに無表情に転がっているだけだった。

絶対に何かの合図(?)があるのだ!(ワタシの思い込み?)
それともアイツが立っているから こりゃ立たなくては と、つられて立ってしまうものなのか。
いや、他人の行動を横目で見てるとしたら その目は何処にあるのかしらん(ナマコてあるのか?目…??)。

ナマコの顔ってこれだ!と思う程、この度 ぐっと豊かな表情を見ることはできたのだけど。

…続くよ 明日にっ

 

話題にのぼりませんが 必見です 05/05/13 (金)

頭の上から出てるでしょーーーーーっつ!あれが放精

静かに立っているのではない 身をくねらし踊り立つのだ

糸のように出てくる 何気にはぁ〜との形だったりもする

ダイビング雑誌は総じて華美でお洒落すぎる。
水色の海や珊瑚やマンタばっかりがダイバーの醍醐味じゃないぞとね、ちょこっとだけ今回は自慢したいです。 海の中でイノチを繋ぐ姿は、誰も振り返らないナマコでもやっぱり物凄くステキなものだ。

どうして
誰も、この晴れ姿を
話題にしようと
しないんだろう。

と、素直にそう思っているんです。ナマコじゃダメですか?
笑うネタじゃありませんよ。自分で言うがワタシは常に真面目。
詳しく書きたいけど 物凄く書きたいんだけど、今日も仕事で遅くなり少々疲れ気味。
これ以上熱く語れず残念です。すみません、、、本日ワタクシ閉店です もう寝ます。

ぁあ!明日は、ねちねちねちとしつこく語りたい。是非 語らせてもらうぞ ナマコの起立。
って事で…明日に続くっ!

 

おぉっつ!念願のナマコの晴れ姿 05/05/12 (木)

さて、薄曇。GW明けた皐月の海で何を見たか。

勿体ぶってもナンなので報告します。

願いに願ったナマコの放精をこれでもかっ!という程 この目に焼き付けて来ました。
こういうモノは、狙っても見れないもので 年中繁殖期の人間と違い、多くのイキモノはそれぞれの条件に合う季節とタイミングで僅かな時間その時を迎える(のだと思う)。
ナマコにばっかりこだわってはいないけど、普段海底であまりに人畜無害でお人好しに生きているナマコが、俺も生物だ!とイノチを繋ごうとしている姿は是非見てみたかった。
みてくれが あまりに不細工なので誰も振り返らないのだ。
でも、ワタシにはナマコのそんな一年に一度の姿は、イカの産卵や まだ見たことないけど珊瑚の産卵とかゆーものと、同じ価値があったのよ。

おおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーー

水温16℃ 天候曇り 時間は午後1時から2時50分の間。
潮は中潮、空の月はまだまだ爪で押した様に細く、16日(月)にやっと上弦の月になる所。
どういう具合なのか人間のワタシにはワカラナイ。
が、青海島トンネル出口のナマコ等は、なんだか機嫌よく立ち上がり頭を振って踊っているし、君はこんなか??と問いたくなる程奇妙にデカイ。
…てか…長い。

主婦なら知っている。
まな板に乗せたナマコを包丁で切ると、ぶはっつ!っと海水を吐いて突然小さくなってしまう。
なんだお前、買う時はもっと大きかっただろーが!と包丁を翳して脅しても、ナマコはナマコの立場で
「奥さんそんな事言ってもワタシはこんなイキモノですが。」
なんて風。

トンネルを出ると其処は雪国だった、、、かーもしれないが、本日の青海島はトンネルを出たらナマコがやる気になっていたのだ。
あなおそろしや 海の中。
何が待っているのかワカラナイ。

「アンタが見たい見たいと言う声が、なんだかここに届いたので待っていたんだよぉ、、」
なんて言われたよーで 腰が抜けました。いやホントに。

…で、明日に続くぞ 続くっ!