でー、、砂地に転がる砂茶碗。
初めて見た時、海に投げ入れられた瓦礫かと思った。
その頃、まだダイビングを始めたばっかりだったし、貝というイキモノが産む卵の姿など想像もつかなかったし。
どう見ても 割れたお椀の一部に見えるこれは、ツメタガイの卵塊。
砂を粘液で固めつつ、オノレの卵を練り込み作るんだそうで、産むだけでも一仕事なのに、そんな工作までするなんぞと感心するばかり。
砂地にころんと転がっていると、その形から結構目立つ。
ナマコの放精は 魚から食べられてしまうってのを、この目で見たワタクシとしては、こんな砂地に我が子を産み捨てて大丈夫なんか?と心配になる。
しかし、砂まみれの卵って、食べたくても食べられない代物かもしれない。えらいもんだ。
貝の癖に どこからそんな知恵と技を得たのだろう。
そう思うとウミウシの卵もかなり目立つ。
あの小さい身体よりも 大きな円を渦巻状に産むのは誠に不思議。
一体その身体のどこから それだけのモンが出たのかね?腹も膨れておらのに。産む前のウミウシのお腹って?膨れてませんよね???
どうなんだろう(…ワタシが知らないだけ?)
生まれた卵塊は花の様で、大変無防備。
食べられないから堂々と岩壁に造形作品をひねり出すのだろう。その大胆さのヒミツは何なんだろう(食べられる事もあるのかな??)。
青海島、左の瀬の先に広がる青い砂地。
いつもここで その青い砂漠に見惚れるんだけど、ホシテンスはズボッと潜るし、ホタテウミヘビは首だけ出して寝ているし、こうして砂茶碗もころころ転がっているし、この砂地を篩いにかけたら、静寂に見える砂地の中から きっと腰が抜ける程のイキモノが出てくるんだろうな。
密かにお砂場遊びをしてみたくなる。
胸でそっと 思うだけだけど。 |