2005/10 Diving Log 4

岩や壁に 這い蹲るワタシ 05/11/03 (木)

クロイシモチの幼魚 成魚とはまるで姿が違う

秋の晴天。
海はベタ凪 そして大潮。

いいなぁ…今日 やっぱり潜れば良かったかなぁ…と、愚痴りつつフローリングにワックスかけました。
居間のカーテンも洗いました。
今、我が家に来たら眩しいですよ。
頑張りましたもん@大威張り。

フローリングに這い蹲っていると、普段気が付かなかった床や壁のキズや汚れがこれでもかと見付かりますね。這い蹲るってのは小宇宙を知る姿勢ですね。床じゃなくて海の方で這い蹲ってもそーですね。

海の中は漠々と広いのに、ダイビングを始めた頃、その広い中でゴマ粒程のイキモノを一生懸命写真撮影されているダイバーさんが不思議で不思議でなりませんでした。

正直、一体何が楽しいんだろー?
もっとエエモノがあるだろーっ??
って思っていたですが、動かず見つめるダイバーさんの気持ちが今になってとても解る気がします。

潜水し撮影を楽しんで、ふと図書館なぞに足を運んだりしてますと、本当にどんなものにも名前があることを知ります。名前があるということは、同じように這い蹲ってそれをココロにとめた人が沢山いるわけです。
それは名前のみならず 分類名称という事になると、知らぬ土地の呼び名や町名も足元に及ばない、読めず書けず、そして一生知らなくても何一つ困る事は無いだろう莫大な名称が溢れてて、これはしまったワケわからん!読まなかったことにしよう、、、と読む目が小走りになります。

しかし、当のイキモノ達は 自分にどれだけ難しいお名前が振り分けられていても、その行動の目的はただ生きようとしていること。

その命を繋ごうとしている姿は、客観的立場で見るとどれも大変 愛おしく、そしてリアル。
どれも確実にイノチに繋がっている。
人間くらいのものです。
産む行動意外、イノチを繋ぐことがないのは。
捕食者がいないというのは 特別なのです。

又 近い日、ワタクシは海を目指して晩秋の海の底や岩壁に這い蹲るのだろーうと思います。

ソフトコーラル

サキシマミノウミウシ 小さくて可憐

人の姿に生まれ一体何が不自由なのでしょうかね 何が悩ましいのでしょうかね。ただ 生きるために生きている可憐なイキモノを這い蹲って眺めては問う、アヤシイ中年は来月またひとつ年をとります。はい。

 

岩や壁に いきるもの 2 05/11/01 (火)

至る所にいた ヒロウミウシ

シロタエイロウミウシ 背中にハートの模様がある個体を見つけた人は 幸福になるそうです

うぅっ… 今夜は物凄く眠たくて 指もよろよろ。
何も書けません。岩や壁に生きるイキモノ達の そのほんのすこしばかりの写真のみUPさせて頂きます。

ムチカラマツ(サンゴの仲間)に擬態する ビシャモンエビ

トウシマコケギンポ レッドバージョン

トウシマコケギンポ キイロバージョン

グビジンイソギンチャクに共生する アカホシカクレエビ

 

 岩や壁に いきるもの 05/10/31 (月)

ニホンアワサンゴ  本州中部〜九州

この 半透明のカラダの中で 子供を育てるのだという…

ある日、思い立ってダイバーになったワタクシなので 基本的にこの世界ではまだまだ赤子。

その赤子、100本越してやっとヨチヨチ歩きが出来るよーになりました。
そしてある日、ヨチヨチヨチと図書館に行き、ニホンアワサンゴのことを読みました。
自宅に戻っても、どうしてもそれが気になって また後日出直して 再び探して読みました。
どうしても気になったのは またもやたまごです。
どうぞ呆れて下さい。んで、正確にはたまごというよりも子供です。
このニホンアワサンゴ、カラダの中で我が子(?)を少しだけ育ててから産むらしい。

…子供を産むサンゴ????

サンゴと言えばイメージは南国。
しかし、一寸寒い海域に暮らすニホンアワサンゴはカラダの中で或る程度我が子を育て、なんと真昼間に産むらしい。サンゴの産卵は夜間と思いきや、なんとも気前の宜しいサンゴではないか。こんな話し、ダイバー総立ち大喜びではないか。なーんて思うのだけど、いや実際にはには この地味ぃ〜でぼそ〜っとしているニホンアワサンゴを話題にするダイバーに、ワタシは出会った事がありません。残念です。
おまけに、柔らか系サンゴってのは、どっからサンゴでどっからイソギンチャクなのかよく解らない。
本にはサンゴやイソギンチャクの理屈が解らない言葉で書いてある。読むに溢れる言葉や分類名称は、恐らく一生に一度使わなくても生活するに困らない、謎の言語であり 頑張って読んでみても脳の中で舌を噛みそうになる。

こんな風に解らんのだが、兎に角ニホンアワサンゴ、右上の、あの花の茎みたいな所に ころころと丸い子供を抱えている写真が借りた本には載っている。

ほぉ… 子供を抱いているんだぁ。
しめしめ、我が海に揺れるニホンアワサンゴの子。
これはいいものを読んだ。是非とも子供をカラダに抱き育てる頃、その姿を確認させてもらおうではないの。

楽しみだなぁ。

 チビセンナリスナギンチャク/本州中部以南3〜20m

グビジンイソギンチャク/本州中部以南の岩礁 珊瑚礁海岸 

海を知るまで、珊瑚と名のつくイキモノが見慣れた山口の海に生きているとは思いもしない事でした。
サンゴとは、遠く南の海にいて それは大切にしなくてはならない、今にも死にそうな美しい女性の様なものだと思っておりました。サンゴ、少なからずその名を持つものが こんな身近な海の中で揺れていると どれだけの人が知っていますか?
但し こっちの海にあるものは、絵本に登場する樹木の様なものではなく、サンゴなのやらイソギンチャクなのやらなんなから区別しかねる とてもぶよぶよしたやつ等です。それが波と伴に微笑み笑って生きてる。もっと言えば、ふにゃふにゃサンゴやら、イソギンチャクやら、ガヤやらヤギやらホヤやら海綿やらナマコやら、なにやら不思議な卵たちも産み付けられ、そして海草が髪を振り乱して揺れている。
岩に壁にイキモノ達は、見事なまでの絵を描き イノチの濃さをみせている。

鮮やかさと生きる姿を目に焼き付けて、陸に持って来たいと思っても、いつも思うの。
あまりに濃厚で、これは全く圧倒される。そしてどう撮ったらその美しさが壊れないかと。
赤子のヨチヨチダイバー、まだまだ不勉強です。

…続くよ まだまだ。

トンネル内にて撮影 ソフトコーラル

キクメイシ(左の瀬)/本州中部以南