2006/01 Diving Log 3

海をみる め 06/02/04 (土)

これはなんだろう?

ダイビングを始めて約三年半。
黒々と揺れる 冬の海の中にお邪魔するようになって4つ目の冬です。

大体、海の中なんて 普通行けるワケがないのです。
行けるのがおかしいのです。
ましてや真冬の日本海の底、カッパでも毛布被って泣き出します。

が、行けるのです。平気です。

凄いぞ冬ダイバー オールシーズン常夏気分。どこでも南国気分(?)。
しかも この日、冬なんて平気じゃんダイバーは堂々5名。みんなスゴイぞ。それもむちゃくちゃ濃いぞ…。冬の寒さが避けて通る程濃いぞ。
こうして濃い海の生物ダイバーは、青海島観光のオバサンオジサンがコートに身を包み、首を窄ませ見下ろす海に、喜び勇んで次々沈んで行きました。

嬉々として沈んだダイバーは、これまた行く先々で岩や壁に喰らい付き ウミウシ目で米粒程のウミウシを探し当てている。オソロシク広い海原で、どうして米だか胡麻だか爪の垢だか解らないよーな、小さい小さいウミウシを見付ける事が出来るのだろう。本当にダイバーの目ってのは物凄い。
視力というものは、視力表のみならず もっともっと複雑な力で得られているものなんだろうか。

視力表の切れ目が右か左かって検査に加え、海の中でどどめマダラ模様の岩肌に蹲るウミウシを、さて 幾つ見つけられるか←ダイバー向け検査 ってのどう?
見る力ってのは、気配とか 経験的カンとか 想像力とか 匂いとか 気の張り方とか、とかとかとか…そんな味わいぶかぁーい後ろ盾があるんじゃないのだろうか。老眼だ 近視だ 乱視もあるよと言いながら、結果そうして探し当てているのは、視力の世界とブルーベリーの謎、そして海の生物ダイバーの七不思議だ。

と、なーんの根拠も無いけど アタシはそう思うね。
海の底で 常々思うね。そしてこれを恐るべきウミウシ目と名付けたいね。
だれも賛同しないだろうけど。

余談ですが、ワタクシの視力は一頃0.04、現在左右とも0.08。乱視あり。
矯正しても1.0まで見えるのは晴れて調子のいい日くらいのモンですが、何故かやっぱりウミウシはきちんと見えるですね。岩の間にいる正体不明のドキドキわくわく生物もよく見えるし、放精もよく見つけます。
どーして 見えるんでしょうね。おほほのほ。

こうしてウミウシ目4人とガイド2人、そんでナマコ目のワタクシは、真冬の海でイキモノ探し。
そら楽しい時間。イキモノだらけの海の中にいるんですからね 楽しくない筈がない。
ウミウシ目は恋するウミウシを探し当てる。
おおお!
トラパニア・トッドイの晴れ姿だ。
ダイバー暦三年半、まだまだお尻が蒙古斑のアタシもナマコ目で海底を見渡す。
そこに転がる一面のマナマコ。君ら転がる海は正しく冬の海だね。

春に桜が咲くように、冬の海に転がるナマコ。どいつもこいつも はぐはぐと岩や海底を喰らっている。
ナマコ目のアタシはナマコの上を泳いでゆく。大きいの小さいの細いの太いの ナマコの生活ぶりもそれぞれ。

痩せたナマコ、おまえ 頑張れよ。

アタシ、なんだかんだと こーして馬鹿みたいにつらつら書いてますが、実はここんとこずーっと凹み ココロはすっかり飢え痩せたナマコです。すっかりしょげて暮らしているのは大変辛い。
ココロ投影する痩せたナマコには、どうか自分の力で頑張って、そのカラダを膨らませて貰いたい気持ちです。

ムラサキミノウミウシが乗っているのは 小さな巻貝

ホウボウの幼魚 犬に似ている…

 

アタシは ひとりで おるすばん 06/02/03 (金)

今朝、娘は学資保険という名のキビ団子をいくつか持って新幹線に乗り込み、受験先へと向いました。
今度は少し遠く、山越え谷越え行くものでシロクマも心配してお伴しました。
お伴のシロクマも、キビ団子を分けて貰い、大変機嫌よく新幹線に乗りました。

娘は受験票を固く握り、シロクマは”るるぶ”を固く握ってゆきました。
娘が受験中はクマは完全フリータイム 
放し飼いです。娘の受験の心配半分、観光半分のクマがとても嬉しそうにしてるので、今回 キビ団子は多めに持たせました

てな事で今日はダイビンぐLogとは全く関係の無いお話しです。
やっぱり今は 何を見ても試験のことが頭から離れないのは事実ですね。
ともあれ、娘 頑張れよぉー。クマは誘導と護衛をしっかりやれよー。
ほんで美味しいもん食べて 元気に戻っておいでー。

……今日は全くの余談で すみません。

 

またまた 受験前夜  06/02/02 (木)

昨日家に戻った娘、明日も受験にて山口を発ちます。
元気で行って戻っておいで。

貴方はとても頑張った。
そうしてきっと、イキモノはいろんなことを乗り越えるのだ。

よいしょー

日曜日、船越の海の底では岩壁を登ろうするヒトデがいたよ。

なんだ こいつは?と思う程、そのヒトデは人のよーな格好で岩を登ろうとしていたよ。
いやいや、きびきびとは動かないイキモノだから 張り付いているだけのようにも見えたけど、その姿 その足の先 その腰つき(?) ただ通り過ぎるには勿体無い。

ぐっと足は岩を押している。伸ばす手は掴もうとしている。なんとも人間臭い。

で、家に戻って気が付いたのだけど、岩壁に伸ばした手(?)は 触手を広げ本当に岩を掴もうとし、頑張る足(?)はオノレを押し上げている。

……か、どうかホントの事は定かでありませんが、意志を感じるヒトデは愛らしい。
みんな頑張れ。
やりたいと思うことが目の前にあることは 大変ステキなことだ。

…しつこいアタシのLogは まだ続く

 

明日も 食べるよ 06/02/01 (水)

子供が受験で不在であった昨夜、ワタクシはしめしめ これでゆっくり自分に時間が使えるぞと思っておりました。が、そう 甘くありませんでして、同僚から仕事メールが来たり送信したり、受験宿泊先にいる娘に状況を伺うメールを送ったりしているうち、白熊オヤジから電話までかかって来る始末。
そうして、ようやくよろよろとPCの前に座れたと思ったら、一日働いたカラダはそのまま眠ってしまいました。

ちーん……( ̄人 ̄)…… これでアタシのパラダイズな夜は簡単に幕。ションボリ。

らぶらぶのトラパニア・トッドイ

さて、日曜日の海の中。
冬にしてはどっぷりと濁った青海島 船越の水温13℃。
海の水はそれなりに冷たいけども、この日一緒に潜ったメンバーは…
あつーぃ

そのあつーぃメンバーは、胡麻粒 大きくても柿の種サイズのウミウシをバキバキと探し当てる。
きっと目が海洋生物仕立てなのだ。
岩肌に同化しているトラパニア・トッドイ
(上左)。このウミウシのサイズをお解かり頂けないのが大変残念です。そりゃぁもうこれは極小サイズ。見つけたのは本当にスゴイと思う。
おまけに こんな岩肌で苔に身を潜めながら、この極小は真冬の海でラブラブ中。

ふむふむ……大人だったのね。

イソギンチャクに食べられてる アオウミウシ( ̄人 ̄)

陸の上から見る限り、こんなに色を失っている真冬の海。
それでも その中はきちんと繁殖と摂食が延々と続いているのね。
いきもの ということは生きるものなのだね。

ほら、夏の間 深いところに隠れていたナマコ達。
こうして行くさき 行くさき ごろごろとどこまでも転がっている。
そうしてまた 延々と海の底や岩肌を喰らい続けている
(上左)
食べては出すだけの 顔すら持たないナマコ。

いきるとは 確かにこういうことでもあるね。だからワタシはいつもお前が愛おしいのだ。

少し淋しい冬の海、美しい触手を海の風に揺らすイソギンチャク。
ふと 目を向けるとアオウミウシが捕らえられ、あと一口でイソギンチャクに消えてゆくところ
(上右)
イノチはイノチを食べている。

とても簡単で とても痛烈な食べるという行動。
ワタクシも今日、たくさん食べました。だから明日も、このアタシは元気で生きようと思います。

…続くっ

 

すみません 受験前夜なもんで…@写真のみ 06/01/30 (月)

写真のみとしました。
ウミウシが貝だって言うとアメフラシの仲間じゃないの?なーんて言う人もいますが、ウミウシとの存在そのものにそもそも興味がありません。人は食用にならない生物には 大抵感心が薄いものです。

でも、子供の頃 きっと誰も飼ってみたことのある蝸牛を思い、殻を背負っていないナメクジを考えると、ウミウシが殻を失った巻貝だと納得します。海中にも陸上にもこのような貝がいるということは面白いものです。

が、どっちにしてもウミウシって 多くの人には生活する上で必要としない、興味薄いイキモノですけども。

ウミウシの中のウミウシ アオウミウシ

普通種代表 ヒロウミウシ 可愛いっ♪

 

賑やかな 真冬の海で 06/01/29 (日)

うねりに揺れるイソギンチャク

思えば10月、アナハゼの股覗きこみダイビング以来の青海島船越です。

久しぶりだなぁ。

と、海を覗き込むと どっぷり濁っておりました。しかも なかなかのうねりつき。
アタシは8mm 10kgつき。重たい…

くどい様ですが、オノレの不甲斐無さを書いてるワケです。
しこたま分銅搭載したアタシ、ヒレを動かしても目の下にある岩が後ろに下がっていかんのです。
進まないんですよ ほんとうに。

でー、崖登りのようにですね、岩を掴んで海底を這い進み アラメの茎を握り締めて又進む。
沈んでいた竹を拾い、砂地は竹杖をぶち刺しながらゆきました。
頑張りました。
……叱られても頑張りました。

だから今日はね、アタシ ちっとも寒くありませんでした♪

…今日はとりあえず良く寝よう そして続く…