2006/04 Diving Log 鹿児島 枕崎市坊津塩ヶ浦

ぼくの さんぽに ついてきました 06/05/05 (金)

ウグイスガイ

半膨れのハリセンボンがいた。両手でつつんでみた。

イキモノは触ってはいけないよ。
青海島のS氏の声が背中から聞こえるので、そーっとつつんで 放してみた。

ミドリイシ

ヤスリサンゴ

 

ナガレハナサ

弾力に驚いた。そうか……

生きてるんだ。

 

 

故郷下関市のお土産に、ハリセンボンをカラカラに干したヤツがある。
カラカラに干されたハリセンボンに、交通安全なんかの札がぶら下がっていたりするのだ。
立派なヤツはそのまま家の飾りにされる。ワタシの知っているハリセンボンは干されたものだったんだな。

青海島でもハリセンボンはたくさんいるよ。
いつも機嫌良さそうな顔をした あのハリセンボンたちは、どれも干されず泳いでる。

当たり前の事なのに、ワタシはこの日まで、こいつ等は兎に角”カラカラ”と 頭のどこかで思っていたんだわ。

これは生きている弾力だね。

ここにいるものたちは 全て生きているね。
イノチを失うときも きっと他のイノチにかわるから イノチの弾力はずっと(…多分)カラダに続いているんだよね(…ホントかいな)。

マンジュウヒトデ

 

もりへ さんぽにでかけました 06/05/04 (木)

海面を割ったワタシ、覗き見るそこは隙間無く生きるものの塊です。

海の中に風が吹いているよーに、塩ヶ浦に茂るイキモノはさわさわ揺れるんですね。
柔らかな君らの名前をたくさん教えてもらったけど、可愛く踊る姿を追うだけでワタシの頭はいっぱい。
大勢の名前を ちっとも覚えておりません。

草の上を風が走ると 見えない風の姿を見たような気持ちになります。
風が今いたのだと カラダに感じながら思います。

丸く続く柔らかな生き物たちは、ずっと塩ヶ浦の肌に続き 海面にあるだろう波とか風とか、海の呼吸の姿を、絶えず揺れる姿に見る思いです。

ワタシが感じる海は、イキモノをたくさんたくさん抱えながら、そのものが生きていると どうしても思えるんですね。

山口からだと、沖縄に行くよりも寧ろ時間を使う(らしい)鹿児島へ、この度せっせと向い、さてさて アンタはどんなものを見てきたのだ?と、そこら方向に興味のある方の期待を、ワタシは初めからきれいに裏切らせて頂きます。

その場所で、普通に暮らしていて きっと明日も明後日も、恐らく数年経っても恐らくそこに暮らしているだろう沢山のイノチらが ワタシの潜る海とはこんな風に違う!と そんなことに鹿児島で胸一杯になって戻って来ています。
だから只だらだらとそればかり しつこーく くどーく お伝えするのみですので悪しからず。

青海島の呼吸が荒い時、アラメ達は一斉に狂った女の髪になります。それはそれで大変ミモノであります。そーしてここ 塩ヶ浦一面に揺れる背丈短いイソギンチャクや珊瑚たち。
海のお腹のその中で、野の草や花のよーに空を仰いで生きている。

可愛らしい君たちの名前を 一つひとつ知りたいような、知らなくても それはそれでいいような。知らないままでも、又 ワタシがここに来た時、どれも欠ける事なくきっといてね。

…続くさ。

ノコギリウニ

サンゴイソギンチャク

オオスリバチサンゴ

 

もりのなか /前書き 06/05/01 (月)

ムチカラマツの茂み

昨年秋に見上げた桜島。
今回、願い叶ってその足元のを散歩することができました。

 

海面を割るとき、意識が変わりますね。
歩いて行けるならそれは手の届くような所でも、海の水が覆う海は何処よりも遠くの場所に変わります。どんなに近くても、見ることの出来ない 普通ならいられない世界に入れるということを、一体 他でどれだけ経験出来ますかね。
だから何度でも海面の中に入りたいし、頭を冷やしたい。
そこで隙間無く暮らすイキモノの生き方の多様性とイノチの終わりの早さに、了見の狭さとオノレそのものをつくづく反省したりとか ね、ワタシはしてるんですよ。
ぼこぼこ泡吐きながらね。

今回の満腹ダイビング。

二日目の話しから始めるのも妙ですが、桜島の裾の海はワタシが遊びたかったモノモノが ごっちゃりと揺れていました。
ワタシはこんな場所で、餓鬼化して 時間が肩を叩くまで遊んでみたかったです。

独りよがりなダイバーですんで、今回、益々自分の表現で書かせて頂きます。
鹿児島桜島の裾は、イノチのもりのなかでした。
ワタシの子供達が、まだまだとても小さい頃に買った絵本、
マリー・ホール・エッツの”もりのなか”ワタシはこの地味〜な絵本がとっても好きでしたけど、この度の錦江湾で遊んでて 思い出したのでそのまま書きます。

オウギウミヒドラ

あーでも これは、知る人ぞ知る名作なんですけどね、知らない方も多いでしょうね すみません。

ぼくは、かみの ぼうしを かぶり、あたらしい らっぱを もって、もりへ、さんぽに でかけました。

ワタシもフードを被り、新しいダイビングコンピューターをもって、海にでかけました。
すると、おおきなイソギンチャクとサンゴたちが、昼寝をしていました。

……こんな調子でですね 今回完全にオノレの世界で走ります@開き直り