海の中に風が吹いているよーに、塩ヶ浦に茂るイキモノはさわさわ揺れるんですね。
柔らかな君らの名前をたくさん教えてもらったけど、可愛く踊る姿を追うだけでワタシの頭はいっぱい。
大勢の名前を ちっとも覚えておりません。
草の上を風が走ると 見えない風の姿を見たような気持ちになります。
風が今いたのだと カラダに感じながら思います。
丸く続く柔らかな生き物たちは、ずっと塩ヶ浦の肌に続き 海面にあるだろう波とか風とか、海の呼吸の姿を、絶えず揺れる姿に見る思いです。
ワタシが感じる海は、イキモノをたくさんたくさん抱えながら、そのものが生きていると どうしても思えるんですね。
山口からだと、沖縄に行くよりも寧ろ時間を使う(らしい)鹿児島へ、この度せっせと向い、さてさて アンタはどんなものを見てきたのだ?と、そこら方向に興味のある方の期待を、ワタシは初めからきれいに裏切らせて頂きます。
その場所で、普通に暮らしていて きっと明日も明後日も、恐らく数年経っても恐らくそこに暮らしているだろう沢山のイノチらが ワタシの潜る海とはこんな風に違う!と そんなことに鹿児島で胸一杯になって戻って来ています。
だから只だらだらとそればかり しつこーく くどーく お伝えするのみですので悪しからず。
青海島の呼吸が荒い時、アラメ達は一斉に狂った女の髪になります。それはそれで大変ミモノであります。そーしてここ 塩ヶ浦一面に揺れる背丈短いイソギンチャクや珊瑚たち。
海のお腹のその中で、野の草や花のよーに空を仰いで生きている。
可愛らしい君たちの名前を 一つひとつ知りたいような、知らなくても それはそれでいいような。知らないままでも、又 ワタシがここに来た時、どれも欠ける事なくきっといてね。
…続くさ。 |