2006/07 Diving Log in 鹿児島

雨は 海へ 06/07/23 (日)

つい、ウミウシ目になる自分が可笑しいと思う。海を見る目は もっと自由なものだと思うのに。

旅行から一週間。
梅雨明けぬ空を仰ぎ、いろんな事を考える。

さて、、

山口の地も湿気ております。
地べたを叩く雨を仰ぎ、その雲厚い向こう側を思い出しながら続けます。錦江湾、本来ならダイバーはもっと南を目指すモンなんでしょうね。ワタシの踏み出したスタート地点は、ダイビングというレジャーから初めっからずれていたですからね。

ワタシが何を求めているか。
そら、説明し難いですが、自分が喰らった海と、そこに生きるモノモノを知りたい。それは私の合せ鏡だ。
これからも、生活の匂いをいっぱい背負った地味な潜水を アタシはずっとやっていくでしょーよ。

このノリで。

 

雨が地べたを叩いている。
その雨に項垂れながら、カラダに吸い込む草木等がいる。窓を開け、夏の湿度を感じるワタシがいる。
全部生きている。

ワタシはおかしいですか。
こんな視線は。

一帯、イソギンチャクが揺れている。これが山口の山陰なら、全て海藻に変わる事だろう。

行く先々、ソフトコーラルが咲いていた。思い出深いソフトコーラル……かつてこれを高知で見たとき、珊瑚!!と小躍りしたものだ。

 

いきもの 等 06/07/22 (土)

夏が始まり、益々患者さんが増えました。
土曜日は、それでなくても津波の如くやって来られるのに、まぁ……兎に角連日スゴイです。
ここで、満員御礼商売繁盛と言いたいトコですが、月給職員としては忙しいばかりで足が縺れそうです。
懐は膨らまないのに、働く二本の足は筋肉鍛えられ、こうしてどんどん成長を遂げるのですね。

 ワタシは見てないんだけど、脱皮したカニの下に殻があったんだって……見たかったなぁ。

愚痴と思いますか?
いーえ 奥さん、違います。

母親等の、その両脇に抱えられる子達供(患者さん)。
目から涙、鼻水までズドンと二本垂らした餓ッ鬼ー'sが、病院と名の付く場所で上げるのは、天も地も裂けるばかりの激しい雄叫び。そして、それに負けじと症状を告げるオカン'sの真面目な形相。

間違いなく、それは少し前のワタシの姿だ。こんなアタシも子供と共にヌルヌルの夏を渡ってきたのだ。
それにしても、むずがる子供の声というものは どうしてか胸が騒ぐ。そーゆー風に出来ている。

繁殖の姿 個人的に愛しい

預かり抱く子供の体温と、知らない人に抱かれ、顔歪ませ泣く子供。あまりにも愛しくて仕事中なのに目が熱くなることも実はある。

泣くなってば 大丈夫だから。

どうしてイキモノは生まれるのだろう。
その命を繋げて行くのだろう。

錦江湾で、アオリイカの卵塊が揺れていた。
ひとつひとつの房の中に、イカの子供が暮らしていた。既に小さなイカの姿で 皆二つの目をもっている。なんて可愛らしいんだろう。
あれから一週間。あの子等も、今頃海の中に飛び出ているのだ。

カニがいた。脱皮したばかりのカニである。
ダイビンググローブを外し、カニの体を掴んでみた。赤ん坊の素肌のよーに、その隅々まで柔かい。脱皮したばかりのカニの傷付き易そうなカラダ。イキモノの触れる事を罪だとは思えない。触れなければ解らないももが沢山ある。知ってそしてどうか、だと私は思う。

卵の中の アオリイカの子供達!!

ああ、それと。

錦江湾に潜って直ぐ?と思ったもの。
岩の壁々にどろんと垂れる沢山のもの。
あれは一体なんだろうと思ってると、ガイドIさんが教えてくれました。

お名前はカワナシカイメンの一種。これ、腐ったよーに垂れ下がる姿は、死んでるんじゃないんだって。こーして無性的に繁殖してるイキモノなんだって。へーへーへー……こりゃ、こりゃ海綿とそのお子ちゃま(???)図だったのね。
パパもママも その恋も、なにも無いままに、カラダが産み落とされている。


ずーーっと前、旦那の仕事の都合で転勤引越ししてた時さぁ、同じ住宅の奥さんが言ってたわ。
「まさか そんな人はいないだろう?と思う人に、転勤度に出会って行く。」って。
まさか そんなことはないだろう?と思うモノ等に出合う素晴しさ@笑。

前向きでいこう。それ、それぞれなのだ。

……飽きたっすか?でも続くよ ききき♪

 

イセエビママも 育児というものに身を窶す 06/07/21 (金)

結婚式以外で、イセエビってのを生まれて初めて見ましたね。
しかも、こいつは大きなカラダをぐぅっと縮ませ 固く岩場で蹲り伺う様な上目遣い。
イセエビを見つけた と、いうよりも 崖で視線を感じたので振り向いたらそこにいた…って、そんな感じ。

子を守るオンナってのは、人間もエビも同じだわ。すげぇ 目の力……

イセエビを初めてみた!大きいっつ!!

びくっ びくっ と跳ねる 力も強そう!

イセエビのカラダは、岩場に負けない程 一面フジツボ。なんて荒れた肌なんだ、何事かいなと思ったら、お腹に卵を抱くママエビだった。ありゃま だからこいつは思い詰めたよーな眼つをしていたんだわ。
孵化と脱皮の期間の関係といいますか、背一面に重たいフジツボ 腹には我が子って状況は辛かろう。
来週辺り脱皮しようと思ったら身ごもっちゃったア…なんて事だったのでしょーか?
それとも ママエビの人生とはこんなものなのでしょうか。

 

桜島の海 06/07/19 (水)

イソギンチャクの捕食

活火山の海ってのに意味無く興味があります。面白いよーな気がしませんか?だからと言って 湯が湧き出ているとか 泡吹いているとか そんな様子を見た訳ではありませんが、ミーハー的にわくわくするんです。

なんでですかね。

以前潜った坊津の平崎の海は、青く青く ああ、成る程綺麗だね……の、海でしたが、散らかった子供部屋の様な錦江湾の海は、そのばら撒かれた中に何かが ごっちゃりありそうで面白いです。
それに、ワタシが喰らい育った山口の海と、鹿児島の海は明らかに違う。
その違いが楽しくて、柔かく揺れるイソギンチャクに絡み遊ぶ無数のクマノミですら、この田吾作ダイバーには非常に新鮮なのです。

立ち入り禁止になっている(らしい)桜島の崖。
その崖は、ちゃーんと海の中も崖になっていて、何気に暗い崖一面に、ムチカラマツが手を伸ばしていたり、ソフトコーラルが膨らんでいたりと、暗いのか陽気なのかよく解らない不思議な景色が広がっている。
で、海底に色彩を見ると、おぉやっぱり南なんだね そうだねと感心してしまう。
更に崖の肌を眺め、これは間違いなく桜島の溶岩肌、黒いゴツゴツの崖や転がる石も溶岩だね。やっぱりそうだ よしよし桜島だね うんうん、火山なんだよね と、大変納得してしまう。

で、これは、何処までどんな風に続いているんでしょうね?
見えない海底を想像して 又、ミーハー的にわくわくしてしまうんですよ。

怖がりのくせに なんでですかね。

……続く〜

 

Floating stone 06/07/18 (火)

石が浮かぶ 波打ち際……って 初めてみた!

ごっちゃりと、海面に集まり浮かぶ石。

海ってものは、結構いろんなものが浮かんでたり打ち寄せられていたりするもんだから、言われるまで気が付きませんでしたよ。
その白いそれが、桜島が吐き出した自然物、軽石だなんて。

どっさりと海に浮かぶ軽石。
小さいものから、えぇえーーーっと思う大きいヤツまで錦江湾に浮かんでいる。
鹿児島では、これは普通だと言われても、山口に戻って、
「錦江湾ってのはさぁ、軽石がどっさり浮いてさぁ、フェリーから漂う石が、まるで赤潮みたいだわー なんて思いつつ眺めていたよ。」
なーんて話すには、一寸 相手の面を選びたくなることですよ。

だってさ、大ボラ吹きだと思われそうだもん。

山口の海岸は、場所によれば この軽石のよーにゴミが山盛りになってる。
それは、ゴミの日を忘れたヤツが海に消えてしまえと投げているのではなくって、大半は韓国から波に乗ってやって来る入国物。
ハングル文字があれにもこれにも書いてあって、読めないからそれが何のゴミなのか解らない。でも、あぁ 山口って、海を挟んだ向こうに韓国があるんだねーって実感してしまう。

物凄く面白い……頭の上に石たちがいる

浮かぶものはこうして どんぶらこっこ どんぶらこっことやって来るんだわ。中にはイチジク浣腸なんかもあったりして、しみじみと 君、、長旅だったねぇ……なんて思ってみたり。

話は逸れましたが、それぞれの海はその土地を語っているんですねぇ。
いや、ホントに面白い。石が浮かぶ海なんて!

……続くっ