2006/11 Diving Log 2

まだ見ぬ Xデー 06/11/30 (木)

銀鱗が散る という表現は、そこであった様子を浮き立たせる為 装飾として使われるものと思ってました。情景から得た印象は、人それぞれの思いに飾られる。
それが個人の体験であり、記憶なのだって。

しかし、この日。

深まてかたでフィンを付けている時から、同行の方等が小鰯の群れが凄い!!と叫ぶ叫ぶ。メンバーはベテランさんばかり。それが鰯が鰯が!と喜んでいるのだ。そして、潜行と同時に どっと小鰯に囲ままれ、ワタシ達は浮かんだまま銀青の中へ。これに胸を打たれない人は恐らくいないだろうよ。自分の芯も光るような うつくしい銀青が動き、光り、流れて行ったのだ。

小宇宙

 

ほぉ〜……地味な田吾作 山陰ダイバー、他所を知らないで何をいわんや。

……と思われても、ワタクシ ここでどんなヤツ等がどんなにしているかを見ることがどうしても好きです。例え他所に潜っても、ここと<どう違うか>って辺りに興味があります。
ここはとても素晴しい海だぞ!こんなにたくさんのモノモノがこんな姿で暮らしているのだ! 

そうそう。
以前ですね、青海島でとても興味を持っていたものがあって、結局それを見続ける事はできなかったんだけど、先日 それについてそっと知らせてくれた方がおられました。
何がって、ニホンアワサンゴ。

ニホンアワサンゴって、知っている人は あぁ あれね……って解るだろうけど、花束みたいな姿で柔らかで、地味ぃ〜〜なものなんです。ワタシが当初それに興味を持ったのは、カラダの中で子供を育ててから産むって話を本(児童書/ジャック・モイヤー サンゴの海)で読んだからで、ぬぉ〜!子供を産むサンゴがおるぞ!サンゴの産卵ならぬ出産やんか!と驚いたんですよねぇ。
どぉ?すごーぃ すごーぃ!なんて興味深々な人…おる?
(出合った事無いんだけど)

そっと知らせてくれた方、本当にありがとうございました。
カラダの中に子供を抱いている ニホンアワサンゴの写真(ブログ)、初めて拝見しました。
いいなぁ いいなぁ こういうの。
まぁ、今から冬ですし ちょっと時期を逃しましたが、こちらの海で新にニホンアワサンゴを見付けて、サンゴの子供にお目に掛かれる事がありましたら
(あるかなーあるかなー)お知らせ致します。

 

ワタシが潜る山陰の海。小鰯の群れが踊り去った後、青い鱗が海にはらはらと舞っておりました。
銀鱗が散る とは、情景の装飾では無かったのですね。
ここには、装飾を超える豊かさがあります。
生きている鰯のカラダから剥げ落ちた青は、まだイノチを持っているようにうつくしいものでした。

 

そして エチゼン 06/11/30 (木)

エチゼンとイボダイ この中にクラゲモエビもいた筈なのだっ!

ばっほ!ばっほ!
そう泳ぎます。
聞こえないけど、そんな風に思えるのです。

インパクトだけならこれに勝るものはそうそう無かろう、これは日本海 秋の風物詩 エチゼンクラゲ。一抱えもあるカラダの中身は多毛な親爺でモザイク無し。決して美しく無いが一見の価値は……多分ある。
そして、その朦々たる中にも ちゃーんとイキモノが暮らしてるもんだから全くエライもんだよ 海の中。

まずはイボダイ これです。

ニモの日本海バージョン。地味ぃ〜だねぇ。

イソギンチャクに守られて暮らす、カクレクマノミはプリティーだけど、イボダイ&エチゼンは映画にはならんだろうなぁ。しかもイボダイ、こいつエチゼンの毒に守られて暮らしているくせに エチゼンをチビチビと食ってるんですよ。どー思います?見た目で人を判断してはいけないと、世の中 よく言うけどさ、エチゼンクラゲも見てくれが余りにも悪いから、齧られているのはエチゼンなのに、どう見てもエチゼンがイボダイを食っるよーに見えるんよね。

いや しかし、一見の価値……あるわー(多分)

エチゼンクラゲを見掛けると、キショク悪いから かつてはマッハで逃げたかった。
しかし、この頃は きゃーえちぜぇーん!と、マッハで近寄っている。
で、エチゼン激写激写人間となり我を忘れてしまう。この日もイボダイ抱えるエチゼンに夢中。
泳いだり転がったりするエチゼンと一緒に、もぉもぉ♪化してワタシもゴロゴロ転がり撮影。

いいわーいいわー
あんたいいわー そのアングルいいわー♪
はい こっち向いてー
あー ちょっと近寄りすぎぃー!ぎゃぁぎゃぁ!

(だから8kgものウエイトが緩んで外れてしまう。
……おバカです ごめんなさい。)

エチゼンのもじゃもじゃ毛の中ね、クラゲモエビも暮らしてるんだとか。クラゲモエビって何?って方は、どうぞ調べて下され。インドネシア〜辺りから エチゼン毛について旅するエビらしいんだけどね、今度はそいつを激写しよう。あー だからエチゼン大好き。アンタ、ホントいいわー。

レぇ〜スのぉカァ〜テン 引きちぎりぃ〜♪ 踊ってぇ〜み〜た〜くなるぅ〜♪

ちゅーか、スーパーにインドネシア産のエビが沢山売られてるんだけど、インドネシアって エビだらけなの?

……続く ええ まだ続くのよ ききき

 

更に イソギンチャク 06/11/25 (土)

山口市立図書館では、中央辺りの生物のコーナーの棚にありんす

ウシが口にした草を いつまでも噛みしめているよーに、ワタクシのLogは終わりません。あまりにもくどい様で、少々恥ずかしくもありますが 更に補足を加え続けます。これはワタシの趣味のサイトだから、エエんです。

今日、仕事が終わった足で市立図書館に行きました。
で、イソギンチャクの歩行を書いてあった本を見つけましたよ。

←これ、これです これ。

これを以前図書館で立ち読みして へぇーーーっつ!っと思ったんですよ。ダイバーなら誰でも知っている、水中カメラマン中村征夫さんのものですね。ここに、中村さんの”お友達が見た”ムラサキハナギンチャクの産卵行動のことが書いてあるんです。
かなり短い文章ですが、数メートル離れたハナギンチャクがちびちびと近寄り、産卵し辺りが放精で白濁したのを見た……とあります。

思いませんか?漠々とした海で どうやって相手を見つけ出し、どうやって言葉を交し、どうやってタイミングを計るのか と。

人間で思う、目 そして口、手や足 言葉を持たない筈の彼等が、人の五感に変わる何かで自分の相手を知り 言葉を交している訳ですよ。
イソギンチャクが考え、思いを持って生きている!
思い込みすぎ?ええ、すみません。
一笑しつつ読み流して下さい。

ワタシが知るムラサキハナギンチャクが揺れる海、それは何度もこの身を沈めた長門市青海島の内海、紫津浦。ワタシにとっての紫津浦は、ミジンベニハゼが可愛いとか そんな海じゃなかった。
あの、養殖場に並ぶ薄暗い砂泥の内海は 寒い季節を迎えると深海魚クサウオが卵を産みにやって来る。千切れ棄てられた魚網に、今年もクサウオは卵を生むのでしょう。その生んだ卵を守る為に、今年もあの声を発するのです。

薄くて小さい写真集 記載は22ページ

クサウオは高い声を出す。卵に近寄るダイバーに、激しい威嚇を示しつつ 辛い声を海に投げる。
キューキューキュー!魚には感情がある。訴える言葉がある。
(あれを聞いた青海島ダイバー、沢山いる筈です。)

そんな紫津浦、そこに揺れる無数のムラサキハナギンチャク、誰もいない夜に恋の時間をもっているのですね?紫津浦の海の底は、豊かな時間が流れているのですね……と、この本を読んだ時、そう驚いたのですよ。

ワタクシはね。

 

イソギンチャクが 恐らく考えて移動しているのではないのかなぁ〜と思わせる本が、今日 見つかったので書きました。で、改めて オヨギイソギンチャクの動画を見てみると、あまりにもボケボケでがっかりです。
撮ってる時からボケてるーと思ってはいたですが、いきなり目の前で泳いでるし、相手は取り直し利かないヤツだし、こっちも夢中ですからねぇ……。

イソギンチャクは動く。それも 感情があり(?)、考えて動き、恋も……(きっと)恋もしている……のよねぇ。

……続く〜。

 

訂正と 補足 06/11/23 (木)

ホント、わからんことばっかりあるわ。しかも図書館Wで本日休館。もー 何それって感じ。
外は雨。肌寒いので一日家に閉じこもりウミシダとオヨギイソギンチャクの事々を、ねちねちPC検索してみた。

まず、ウミシダ。
放精放卵することは どうやら誠らしい。秋の大潮の夜が狙い目らしい。ほぅほぅ。
しかし、そのウミシダが放精放卵の様子を捉えた写真は、どれもいつものよーに 岩にぼさーっつとくっついて揺れている姿勢なのだわ。

飛ぶんじゃないのか………………@遠い目

だってだって、ベニガキが放精放卵して興奮した時、そう教えてくれたやんかぁー ワタシ ワタシ、信じていたのにーーー を、胸に木霊させつつ 今度はイソギンチャクを調べてみた。イソギンチャクがクラゲや珊瑚の仲間云々は、ワタシにはよく解らないからどうでもいいのだ。イソギンチャクが歩くのか、それも考えて歩いているのかどうなのか、その生殖のタイミングを 目も耳も無い姿で どう伝え合うのか、ちゃんとご挨拶をするのかって辺りなのよ。
イソギンチャクも男の子と女の子がちゃんといて、放精放卵することもあると書いてある。

が、歩いてって こんにちは♪さぁ繁殖しましょう ってのは見当たらない。

更に、イソギンチャクやウミシダで調べてゆくと、その大半はイソギンチャク……のぉ、近くにエビがいて とか、クマノミがねぇ クマノミがねぇ と、その近辺の生物の話しばかりが溢れている。
さみしぃのぉ さみしぃのぉ イソギンチャクだってイキモノなのになぁ。
ちゃんと自分で考えて 泳いだり動いたり(多分…)するスゴイ奴なのになぁ(多分……)。
11月の休日は こうして一日しとしとと小雨に打たれ寒いまま 淋しく日暮れを迎えたのでR〜。

……図書館W休館のバカーっ@続く

 

で、オヨギイソギンチャク 06/11/23 (木)

海ってところには、よくわからないモノ達が生きている。

クラゲとイソギンチャクは、辿ると仲間だと本なんかで読んでも、そこでカラダの構造がどうのと言われても、ワタクシの生活には何の影響も無く、恐らく一生知らなくても、仲間だろうが親戚だろうが全く問題無い……筈だった。 が、アマモ場で 通過するイソギンチャクを見てしまった。

犬が空を飛んでいたのを見た ってくらい驚いた。
意外さというものは、なんと鮮烈なものだろう。
だから潜ることをやめられないのだ。

わわわわわ!
とカメラを動画設定にし
わわわわわわ!
いきなりアンタ、そんなもん見せて困るやんか!でも うれしぃ うれしぃんだけど ほら アンタ等、、ワタシにもココロの準備ってもんが……ぁわぁわ……。

撮りながら どうもピントがボケているぞと思ったけど、そんな事より何よりも 泳いでる 泳いでる 泳いでるよっ。
ワタシは、今までこいつが泳ぐって技を持つ、おそるべきイソギンチャクって事を知らないでいた。名前なぞ知ろうとした事も無い。しかしこいつはオヨギイソギンチャクと名乗る(……人間がそう呼んでいる)クヌギ頭のイソギンチャクだったのだ。
ひょー アンタ、凄いヤツだったんやなー。
これからは、アマモ場でイソギンチャク目になって、もっとじろじろ見てやるど。 で、泳ぐヤツに再会して 今度はもっとちゃんとピントの合ったものを撮るのだ。

ききき♪楽しみが一つ出来た。

イトヒキハゼ  僕、今日は脇役なの…


イソギンチャクが泳ぐ。
その姿は、普通に捉えてクラゲ姿だった。カラダの仕組み云々よりも、素人には絵的に説得力があるよなぁ。
しかし、ウミシダもそうだけど、一体どこで何を考え どう辺りの様子を知って”移動”を行っているのだろう。

これ、図書館で立ち読みした話しだけどさ、イソギンチャクが ある日じりじりと歩き 二つ(二人?)が出逢い 放精放卵した……←そう、チラ〜リと書いたものがあった。写真集だったかもしれない。
記憶の限りでは、本人が見たのでは無く、見たって人の話しの話しがコメント風に載っていたのだから益々疑わしい話しでもある。 しかし、オヨギイソギンチャクの遊泳を見て、急に気になってきた。
イソギンチャクは動く。しかも、イソギンチャク心に思う事があり ちゃんと考えて移動しているのだ(多分)。
しかし、これは記憶する話が話しだけに、本がどれで どこに書いてあったのか、きちんととここに記載しないとワタシは大嘘つきになるぞと思い、つい先程 図書館へと車を転がしました。
そう、たった今の事ですよ。
で、その本を借りて帰ってこれに書いてある!と、写真を撮って証拠にしようと思ったんです。
所が、本日(11/23・祝)山口市立図書館休館日。山口県立も休館日。
えーーーーちょっと今日は祭日やろ?同時に休館なんて、休日に調べ物したい人が困るやんか。
小雨の中出掛けたのに そりゃないやろっ!
ぎーーーーーーーーー!

……そんなことで、ここまでしか書けません。図書館W休館は いけんやろ?
あの本、どれだったか見つけ出してやるっ!

……続く〜のさぁ〜。

 

まず ウミシダ 06/11/21 (火)

まず、ウミシダが普段どれだけ草っぽいのかって所から熱く語りたいね。そこなのよ。それを知らずに泳ぐ姿を見てもわかんないでしょ。これって、一見 植物。しかし、動物。

ウミシダ 普段は全く海藻にしか見えない でも動物

動物なんですよ。
ちょっとそれは無いよねって感じよね。普段全く動かないで、岩に引っ付いて揺れているだけ。動物と聞けば、顔も目も鼻も無いから、益々何を考えているのかわかんなくて不気味なんだけど、別にカラダに付いて血を吸ったりとか そんなことはないみたい。

ワタシも青海島で岩壁を、ぺっつぺっつぺっつ と、登ってゆくウミシダを見るまで、コイツと好んで仲良くなろうとは思いませんでした。
で、歩行ウミシダを見た後は、その衝撃的不気味君に強く興味を持ち始め、暫くは頭がウミシダまみれ。そして、ウミシダは汐が流れてくると、プランクトンを捕らえる為に高い所に移動する と、図書館で読んだよーに覚えています。

更に、自分で何も確認してない事だけど、初めて鹿児島に行った時、ガイドさんがウミシダが大潮の日には、たくさんたくさん泳いで放精してるって話してくれました。ベニガキの大放精放卵を目撃してすっかり腰を抜かしたワタクシは、なんと!そんなことまであるのかっ!そんなスゴイものがあるならば、是非ともこの目で一度だけでもお目にかかりたいものだ!と、腰を抜かしたまま 鹿児島坊津の海をクワッ!と見つめたよーに覚えています。

大潮の日、ウミシダが たくさんたくさん飛び立ち放精する……それは本当なんですか???
ああ どなたかそれを見たことありませんか?
見たことがあるならば、どうか教えて下さい。それはどんな感じだったのかを。

いや、まずそんなスゴイことよりも もう一度歩いてみせてください。
ワタシはウミシダを眺めながら、いつも思ってました。突いたら歩くのじゃないかと思って、何度も棒で突いてもみました。でもね、岩にくっついているウミシダは いつも植物のように何処も動いたりしなかったですね。だから 尚、いつかは いつかは!な〜んて思っていたんですよ。
それが、いきなり目の前を、、、!えええええ!

歩いてるよー 歩いてるよーー いきなり歩くなよ!!

待てってば!コラ!
動画動画 カメラカメラ!
焦りまくっているうちに、ウミシダはどんどん歩いて 歩いて ああああ??あああああああああああ?!

とんでるよー!

えー ちょっと、ちょっと!
そんなアンタ、アンタ、、!
心構えがまだできとらんが……

ホント、びっくりしたわ。焦るやんか。
もう一回やってくれたら ちゃんといい絵が撮れるよーな気がする……ので、もう一回やってくれない?
ってのはダメみたい。あー、でももう一回やってくれないかなぁ。
これで又、益々ウミシダが気になって仕方がなくなるじゃん。

いきなり 何が起こるかホントに解らん。
これが今回、驚いた一つ目のことであります。

……オドロキは続く。

スナギンチャク 作り物のように綺麗な姿

 

遊泳 Xデー 06/11/19 (日)

深まてかた 砂地

とうとう!あのウミシダが歩きましてね、おまけに泳いじゃったりなんかして、うおーうおー!と大興奮。
青海島左の瀬でかつて見た、ウミシダ歩行、あの時 撮影逃したもんだから、それ以来ウミシダを見るたびに「アンタは歩かんのですか?アンタも歩かんのですか?」とじろじろじろと眺めつつ、Xデーを待っていたんですよ。

そしてとうとう来たのです。

ぅおーぅおー ウミシダーーーーー。
やっぱり おもしろいーーー!

それが更にイソギンチャクまで泳いでくれて
こりゃ まぁ 大変

まぁ大変な続きは明日です。激しい眠気に勝てません 今夜はウミシダの夢見て寝まする。おやすみぃ〜。

……で、明日に続くJ〜。