2007/07 Diving Log

ネンブツ女になりそうな 夏 07/07/18 (水)

ネンブツダイのペアは、あんなにもたくさん群れの傍で踊っているものなんだ。それに、♀のお腹の先、もう少しで卵が出てくるよって尖り方だった。

ワタシが見た♀の子供たちは、きっと今頃群れに混じって口内保育している♂の口にあるのだろう。そして♂の口に見え隠れした卵たちは、探すことの出来ない小さな姿で、漠々と広がる海へ散っているのだろう。
ワタシが是非とも目にしたい産卵や口内保育の瞬間は、絵物語の中のものではなく、ほんとうに手の届く直ぐ傍で きちんと行われていることなんだ。

今頃だけど 卵が孵化するまで口に入れとくなんぞ おかしなやっちゃなぁ 時々食べちゃうってのも つくづくおかしなやっちゃ

必ず行われている、繰り返すイノチが繋がる姿。
もう一枚、出来ることなら次のページを開きたい。どきどきわくわくの姿をこの目に映したい。

そんなこんなで欲深いネンブツ女はですね、明日の夕刻 ネンブツ宅へ海底再訪する事となりました。
わははのは どう?しつこい?産まなかったらもっとしつこく ねばねばねばと梅雨の湿気よりもぃや〜らしく付き纏うから、ネンブツ一族 さー明日はシッポと顎に気合入れて、思いっきり きばってみせてよぉぉぉーっ!

 

ネンブツダイになる 夏 3 07/07/16 (月)

数え切れないネンブツダイの群れに囲まれて思うには、この魚等は思う以上に人見知りをしない。
こっちが緩やかに眺めているだけなら、直ぐ傍で自分達のやるべき事に夢中になっている。
うねりのお陰なのかなんかのか、群れの方からダイバーを囲んでくれる程で、ネンブツダイと何度目と目が合ったかわからない。そして、ん?という顔をするのが愛らしい。野良猫のようだぞ。
で、そんなんなら さぞやゆっくり狙ったいい写真が撮れただろうと言われそうだけど、これが又 群れの一匹に狙いを定めるのが難しく、漫然と群れを追うのみで巧い事いかんのですわ。

群れを捕食しようと狙うけど、散らしてしまって巧くいかないってな大魚のキモチが、ちょっとだけわかるよーな なんかそんなん。

口内保育中の♂を前に、くそー今度こそーっ!と構えると、群れに紛れたり後ろを向いたり。ネンブツダイの群れ、それは恐らく繁殖目的なのだろうと、ワタクシ素人の頭は思いますが、よく群れの第一理由として掲げられる<身の安全>も、立派に叶ってるね?そんな感じだねー。群れってエライ。

強く いきなっ!

 

ネンブツダイの話からズレるんだけど、<魚はどうして群れるか>←これを思うと、日本の教育の偉大さというか、恐らく ある年齢以上のモノで知らぬものはなかろう<スイミー>の物語がオートマチックに頭の底から出てきます。しかし、群れ意識がそんな風に 道徳的前向き協力思考であるものばかりなのか……。ぃやね、ここんとこキモチが疲れ気味のワタクシなぞは、ネガティブ群れ凹凹思考気味。出来る事なら大きなものの個となって、個人の存在を大多数の中で希釈したい。ワタクシの持つ小さな幸せはワタシのココロが知ってればいい。紛れたい あぁこんなワタシなぞ隠れたい……とね、多数に同化したいと思うことしばしば。

でも多分、ネンブツダイは答えるだろーな(ここから妄想)。
狙われたくもない、そしてやる事も多い。生きてる時間は次のイノチへの時間へ時計仕掛けで繋がって、暢気な弱音吐いてる暇ないんだよー。人間は考えるという時間がありすぎるね。
……はぃ勿論 想像(妄想?)ですがな。想像(妄想)なんだけど、人間ってやはり他のイキモノ等に比べて、生きてる時間がゆっくりなんだろうね。これって有り難いのかなー 有り難いんだろーなぁ……。

はぁ ちっとも役にたたない雑文にお付き合い下さって どうも どうも。
スイミーかぁ……魚の群れって協力するもの?アタシのよーに個の保護の利己的な発想ではないもんなん?

つづくよ〜ん。

 

ネンブツダイになる 夏 2 07/07/14 (土)

ネンブツダイの群れってのは、移動しない群れだよね。

そもそも魚の群れってのは、ごぉおーーーっと海を渡る風のよーな群れと、ここにいるの みーんなで集まってるの←な群れがあるね。もっと分けるといろいろあるのかもしれないけど、ネンブツダイは群れ溜まってるタイプで そこに集まっている事に理由がある族だね。
魚たちはそれぞれどうして群れるのかを掘り下げたら結構面白いかもしれん。ネンブツ族はごっちゃり群れ溜まってるエリアと、その付近に二枚の木の葉が散ったよーな ペアが出来ていたよ。

群れの外には 面白い程 二匹でペアになってます

♀の下腹 尖ってるね ペア等の中にも 求愛に熱心なものとそうでもないのがいるよ カラダの準備が緊迫してるものと そうでもないものの違いなのかなー?

群れ付近に散在しているペア等は、笑っちゃう程きれいに二人寄り添ってて、あっちこっちでぶるぶる互いに囁き合っていらしゃる。生態行動の中で求愛が見たいと思うなら、ネンブツは間違い無く見ることが出来る。
このペアの姿は、そうだ クリスマスディナーってのを食べてみたいぞと思った某12月、市内のお洒落(といわれる)レストランに家族で行った際、ロビーに等間隔でペアがどっさりいたあの光景と同じだ。混雑してるお洒落ロビーでのペアの間隔の取り方は絶妙で、イブの夜 私たち特別よね♪と、パートナーと密着し、時々ぶるぶると微笑みを交すのだ。そしてその隙に チラ目で近辺のペアを値踏みしているのは間違いなかろう。
あれは冬のネンブツダイの群れだったのだ。 

顎張り♂の濃度が高いエリア でも顎張りじゃないのもいる

そのよーなペア軍団を産出する元というか、基本的ネンブツ群れに戻り、さて♂エリアがどれか←とその気で群れを眺めてみた。ネンブツダイの群れは、やはり顎張り♂が濃厚なエリアがある。
その♂群等の口の中が、新鮮産みたて卵かどうか 色はフレッシュなオレンジかどうかを確かめつつ近寄ると、オバサンの意気込みは鬱陶しいのぉとばかりに ゆる〜く群れは移動する。きーーー!見せんかい 口の中!おまけに ここまでが♂だけっ!と仕切られてはおらず、なんとなく♀もおるわいな と、♀混じりの群れと合体し、どれどれ目で群れを辿るとそのまま♂♀混在エリアにだらりと移行して解んなくなる。その曖昧さ故に♂ばかりの群れは、♂は大体この辺りに……と、なんとなく吹き溜まった風ゲ。

ゴンズイ玉みたいに、我々はキッパリ集まったでーす!とじゃんけんのグー化してたら解り易いんだけどね。
 

想像すれば、ごっちゃり群れてるエリアは口内保育開始も含めて合コンエリア。恐らくこの群れ溜まったネンブツ一同の目的の多くは産卵&保育だろうからそうなのだ。
まだ先は長いでーすの新鮮卵クラブ♂族は曖昧ながらも吹き溜まり、それとなく♀も含めるエリアに続いて次なる求愛に備えてうねうね揺れるネンブツ社会図。
次なる保育が出来そうな♂と、下腹が膨らみ尖った♀は群れからビミョーに離れ、ペアエリアに移動してオイシくぶるぶるしてる。

このまま夕刻まで観察したら、間違いなく産むぞ!なペアも豊富なんで、その気で身支度整え、海底に張り付いていたら 出産と口内キャッチシーンが見られる事だろう。
その位下腹突き出した♀がペアを組んでいる。へーこりゃ見れるだろう数も多いし!←の手応えを感じるよ。

オレンジ卵保育中の♂が集まってると思いきや そのままその他大勢エリアと合体してたり つまり境界線が無い

そう、このうねりさえ……うねりさえなければね。それと、デジカメの液晶画面が もうちょっと大きければ。

オリンパスC−755←で一切の撮影やってます。まぁ海中撮影やってる事そのものが、主婦としては大変贅沢な事と解った上で欲を言えば、C−755は液晶画面がちぃさぃ……。定規で画面サイズを測ったら2.3cm×3.3cm。この四角の中で動く被写体を動画で追うのは大変です。目で見ておるぞと解っても、カメラを構え画面通すと、狙いたいものがどこかわかんなくなる。それに海中動画はすぐボケる。カメラがどの被写体を見たらいいのかわからなくなるんだろう。
大事な所でボケるから、真剣にきー!ってなる。ワタシのエアーが減ってる時は、きーってなった証拠です。

まぁ、いいんですけどね 趣味だし。
でもさ、趣味にしてはえらい気合入れているなぁってね、オノレの行動を時々思うんですよね。

……ええ、つづくわよ@読む?

 

 

 ネンブツダイになる 夏 1 07/07/13 (金)

ネンブツダイの群れ社会、そしてそれらの口の中。
そんなもんを覗きたくて覗きたくて、あぁ本当に覗きたくて波立つ日本海の浜に仁王立ち。

日本海 うねり←入ってます。

波にどつかれながらエントリーすると、海ん中真っ白。
砂地なぞ立派なマックシェイクで、千切れ千切れた海藻の具入り。
それがうねるまま、海底ごと運動してるの。えぇ、潜る人なら解りますよねー。ずるりっずるりっと動く前後左右上下斜めの異様な世界。自分は進んでるのに後退してる?な全身錯覚のぬらずるり。
千切れてない海藻だって今日はやる気満々でさぁ 岩場で立って踊ってるわー 久しぶりに海藻の踊りを掻き分けるわー ホンダワラ達も斜めだねー。
斜めなら斜めのままでいいのに、長いカラダで踊ってるわーきしょくわるー。

それより、ワタシは何をしてるんだろーねー。

群れは 顎張り♂がよぉ〜けおります ちょっと上向き加減なのが渋いぞー

で、いましたいました。
海藻が無くなり、海が静かになった10m辺りに ごっちゃり群れるネンブツダイ一族。
アナタ等に逢いたくて、こんな海に潜るワタシの生態の方が、アナタ達の生態よりも多分奇天烈。
ネンブツダイの群れも、群れごと揺れてました。群れは離れたり近寄ったり。でも観察するには問題ナシ。

この度、ワタシはネンブツダイ化してその行動を眺めよう、それってどうしたらいいんだろう?って思ってたんだけど、ネンブツダイがそもそも人見知りしないのか、うねりの為なのか、群れごとワタシを包んだり離れたりしてましてね、ダイバーがぼこぼこ泡吐いて、じろじろ目で見てる事なんてどうでもいいみたい。

故に、物凄くゆっくり至近距離で観察出来ます ……うねりさえ 無ければ。

ぃやぃや、しっかり見せて頂きましたよ。
魚の生態行動に出逢いたいって常々思っていましたが、これは間違い無く観察出来るわ。
で、ネンブツダイは只漠然と、仲間よねーだよねーって群れてるんじゃないぞ、おぉおぉ ふむふむ じろじろじろと、脳味噌もうねうね妄想に踊りつつ眺め考えた事を書かせて貰います。

……うね子談はつづく。