2008/05/19〜/22

親しんだいきもの 3 08/06/07 (土)

慶良間にいるときは、自分の興味の芯がよくわかんなかったんです。
初めて訪れた時、見たこともない骨殻の浜辺にびっくりし、とんでもなくスゴイことだと胸に焼きつき再訪したんで、生物由来 しかも私の海とは違う生物の亡骸で造られた海の底敷が珍しく、今回もそれはただもう潜る度 海を見る度堪能しました。が、家に戻って日が過ぎると たくさん見たもの感じたことが時間に洗われ、更に気持ちが強くあったものがどれなのかわかるようになりました。

例えばウミヒルモ。須佐のベエイにも広がるこれと なんだか違ったウミヒルモでしたね。ウミヒルモにも種類があるんですねぇ。ベエイのウミヒルモは季節によってはごっちゃりと、正に草ですーと言わんばかりに掌を広げたっくさん生えておりますが、たまたまなんですかね?このウミヒルモさんたちは葉がとっても細い上に元気もない。葉が細いのはそういう作りにしても、もっと元気ウミヒルモが暮らしている場所があったんじゃないかなぁなんて思ってみたり。細い葉の元気なウミヒルモさんと、よく知ってる丸い葉のウミヒルモさんにも慶良間でお逢いしてみたかったです。それと……まだ見たことないこの方たちの花というものを ここで見ることは出来るのかを、どうして尋ねなかったんだろうと後悔。
こうして座間味じゃなくても観れる と、思って結局悔やんでいるものがたくさんです。

つまり沖縄にこだわらなくて良かったんだ。と思ってます。こだわったつもりは無いんだけど、いつもいつも大好きで潜り続けてきたものたちを隅に置かなくて良かったってことです。奇天烈な魚も泳いでいるし、それが面白くないわけじゃないんだけど、自分の潜るところとの違いと繋がりってのが軸だったのかなぁなんてね。沖縄に行ってると舞い上がって忘れてしまい、漠然と時間を過ごしてしまったみたいです。

いや、見たことのない生物も面白かったですよ。
だから何度もいうけど、それはつまりゾウやカバやキリンを見てるよーな気持ちで面白いって感じね。

海亀とも初対面しました。海亀はずーっと昔は須佐に砂浜があった頃タマゴを産んでいたと聞いた事もあるし、遙か沖 見島では稀に遭遇するというんで南じゃなくてもいるんでしょうけど私は初めて。

潜っていて人見知りせず 寧ろ後を追いかけてくるミノカサゴやフグを、私は「あれは犬っっ!」と言ってるけど、ついてこなくても亀は犬風ですねぇぇぇ。逃げるのかと思ってジリジリ寄って行ったけど、ぜんぜん逃げる気配がなかった。……やっぱり犬亀。

家に戻って 同じ頃慶良間で潜ったダイバーさんや、いろんなショップのHPやブログを見ると、この犬亀の写真があっちこっちで見付かりました。ポイントが大体同じだし、大きさも柄(といっても亀柄だけど)も似てるんで犬亀だろうと思います。撮影している私をガイドさんが撮ってくれたのでUPしときます。いつも海中で動かなくなるオリンパスC−755は、沖縄でわりと機嫌よく動いてくれました。カメラのことを良く知りませんが、冬の間は絶不調なんで寒いのが嫌だったのかなぁ……?なんて……どうなんですかね?

 

親しんだいきもの 2 08/06/05 (木)

もっとしっかり慶良間ネンブツを見てくればよかった、きちんと撮ってくればよかった と、家に戻って後悔ばかり。漠然と眺める熱帯魚〜たちは青い海の柄だけど、私にとってのネンブツダイは貴重な南ネンブツだった(かもしれない)。どこにでもいるネンブツダイだから、みちゃいかん!みちゃいかん!と自制なんかしなければよかった(絶対そうだ)。

ほんの数枚の写真と、そして私の瞼に焼きついた慶良間ネンブツ。
それはですね、面は須佐ネンブツと同じなんだけど、間違っていませんか?なサイズ。ご両親が泣きますよ?な年頃で、きっとまだまだ中学生。おっかしぃなぁ?と思った私は 一瞬種類が違う?なんて思いましたね。

どうしておこちゃまペアなのか。
それについては、南では繁殖期間が長いから大きくなって繁殖する必要が無い、北は期間が短いから体を大きくして一度の卵の量を増やすために大きい……云々(多分そういう説明でした@ガイドさん)。
うーん…そんな説明をされると、南はやっぱり楽園なんかなぁってしみじみ。
人間は特殊な生物故に”繁殖期間が長い”けど、自然の状態でそうだってのは実に楽しそうなことでなによりです。はい。

みずいろの海に生きる、小さなままのオトナネンブツ。
おもしろーい話を聞いて「へーっ」て思ったのは、既に潜水終えた船の上だったんで、次はじっくり眺めて撮影しちゃおうって思ったら、まーた座間味に行かなくちゃいけません。
まぁ、見ても須佐ネンブツとサイズ以外の外見は同じなんですけどね。ともあれ何処にでもいる親しんだ生物も、地域を変えて出逢うと、お体がその地域バージョンになっているんですねぇ。人間でも都会で暮らすと都会の生き方になるっていうから そんなもんですかね?そういうハナシとちょっと違いますかね?でもさ、人間の体も都会で暮らすとホラ、鼻毛ぇ〜が伸び出すとかいうじゃないですか。その土地仕様になるなんて、生物って巧い事できてて感心しますよねー。

ネンブツダイもそうだし、今回 きゃーっっ♪と思ったのはこれもよー。
みてみてー、ウミヒルモー。慶良間ウミヒルモー。葉の姿が須佐のと違って細身の葉。これは慶良間仕様じゃあなくって、本当に種類が違うんだろうね?うれしいな大好きなウミヒルモが慶良間にも広がっているよーっっ。

……つづく〜。

 

親しんだいきもの 08/06/02 (月)

滅多訪れることの無い海の楽しみは、ただその中に包まれることですかね。生きているものたちと、生きてきたものたちが違う海は私が知る海とすっかり様子が異なるので、ぼんやり遊んでいるだけで面白いです。
私が求め尋ねてきたものは、ここには黙っていても いくらでも広がっていました。

そして馴染みの薄い装いと人相の中、田吾作はうろうろと遊びました。みんな他所さんなのでその一つ一つに特別な興味を持てませんが、ゾウやカバやキリンをみるよーに、物珍しく眺めました。

珊瑚の白砂、海の青味、魚群の色艶、そして珊瑚礁。そして ああ!どうしても気になってしまう君がいる。

そう、君 君はぁっっ
ネンブツダイぃぃぃーーっ!

おぅおぅネンブツダイっ。こんなところにッ こんなところにッ!さり気無く溢れ傍にいて、これじゃ近所の猫だよ。驚くじゃないのよ。それも群れでありつつ双葉のよーに寄り添って揺れているじゃないのよぅ。ちょっとちょっと、恋の季節には早いんと違うの?慶良間ネンブツは早熟だぁよ。なんてことだイカンイカン。遠路遥々慶良間まで来て、ネンブツダイに気が散っている。。キリン魚やゾウ魚にはドキドキしないのに、目もココロもネンブツの姿を追ってしまう。

ダメ。今はネンブツダイの時間じゃない。お前を眺めるつもりはない(筈)なの……に、顔を背けても目の玉がつるつると横走りしてネンブツダイの恋姿を追ってしまう。そして胸の中で少し焦っている。折角 慶良間に来ているのに、今 ここ私はここにいるのに、須佐の海は今頃どうしているかと思っている。 私が慶良間の青に染まっている間、山口の海はどんな夏を迎えようとしているだろう思っている。
そう、初夏に咲いただろう私の大好きなアマモの花も、とうとう今年は見送ってしまった……。

ネンブツダイがいる。
目の前にネンブツダイがいる。
須佐ネンブツが気になるよぉ。いやそうじゃない。今の時間は目の前の海を楽しむつもりなのだぞう。ゾウ?ほら、ゾウさんみたいに珍しい生物でいっぱいなのだ!……自問自答しても慶良間ネンブツにココロ惑っておりましたゾウ。

……つづく。