2009/07 Diving log

ダンス 3 09/07/30 (木)

 オオスジイシモチのダンスと産卵について富戸の波さんより詳細なメールを頂きました。ありがとうございます。
 やはり、ダンスは産卵前のペアの行動であるようで、更に私が見たペアはまだ産卵に至るに時間がかかるだろうとの内容ですが、産む前の行動と確認すると強い手掛かりを掴んだようで心強いです。

 動画を確認して頂ければ解りますが、カラダが大きく お腹がちょっとだけ膨れているのが♀で、常に外の円を回っています。産卵まで♀が♂を逃がさないように囲い込んでいるように見えます。しかし、♂も本気を出せば円エリアから脱出できるだろうと思えるんで、本気で逃げ失せる気は無いんでしょうね わかんないけど。逃げてもその果てにええこともないというか、これが定めというか、時期が熟すまで岩陰でお互いを失わないようダンスをしている。そして伺った限りでは、相当な時間こうしてくるくると回って過ごすらしい。
 くるくると自分たちの短い時間の中 何時間も踊る。
 そして、その果てに自分たちの命のプログラムを産み出し、次に担うのが保護する為のあの口内保育です。

 生物ってなんなんですかね。

 話はじぇんじぇん変わるけど、時々動物の研究をする人なんかが、猿なんかが、笑うだとか 遊ぶだとか、で それがどうしたんと思えるよーなネタをニュースにすることあるじゃん。誕生、捕食、そしてまた産卵(繁殖)のみを繰り返す多くの生物の中で、より複雑で余分な(…言葉が浮かばない)な行動を生活の中に持つって、なるほど より高度な生物の生態なんだと納得できるきがする。
 捕食と生命のダンスを繰り返す生物がくだらないと言っているのではないですよ。むしろ生物の命が繋がる手段や暮らしぶりの多様性に感動するばかり。どの生物も須く私を驚かせ続けてくれます 本当に素晴しい。
 しかし、素人なりに生物のいじらしさを眺め、なるほどとも思うってことです。

 

ダンス 2 09/07/21 (火)

 今回の撮影数は 僅か10数枚。それもブレ写真、間違ってシャッターを押していた写真、そして動画3シーンを含めてので、ネタはオオスジイシモチのみ。つまりここでご披露する写真はこれ以上ありません。

寄り添い回る どうみても故意

物言わぬ魚のコミュニケーション 人間の目には不思議な姿

 写真は無いんですが、これでまた観察の対照をひとつ増やしたキモチ。私はね、ネンブツダイにしても口内保育や求愛(ブルブルしてる様子)が自分の目で確認したとき、もっのすごく嬉しかったんですよ。溢れいる普通種でも、あれがそうだ、これはこういうことではないかと、自分で思える潜水ってのは容易そうでそうでもないんですね。で、それがクリア出来た時、それなら今度は産卵して口でキャッチする瞬間を見たい、出来たら撮影したい、それも資料となるようなレベルのものが欲しいなんて思ったりするワケ。

 でも、誤解しないで欲しいのは、そうありたいと胸躍らせることを口にし、夢を抱いて次なる潜水をしてるだけで、ホントはそんな凄いこと、自分の目の前には無いだろうとも思っている。半分は期待で半分は遠くにある夢を楽しんでいる。そこにダイビングの価値を感じてもいる。わかりますかね。

 オオスジイシモチの産卵程度、どこでも見れるもんなんだよと笑われそうですが、そんなココロ踊る姿に私という人間も出逢えることがあれば嬉しい。そんなことを思いながらこの二匹の前を去りました。カラダがチョット大きいと思える方がお腹が膨らんでいるんですが、やはりこれが♀でしょうかね。間違いなくこの二匹の間には産卵と口内保育の関係が待っていると思います。くるくる回るダンスは何の合図なんでしょう。命の時計が早回りの生物たちに、無駄な踊りは無いように思います。

……つづく。

 

ダンス 09/07/20 (月)

 産卵まで至ってないので普通種のふつー動画……なのですが、こうした生物の姿を眺めているのが自分としては何よりも満足。今回のは、オオスジイシモチの求愛行動なんじゃないかなぁと思ったダンス動画です。
こうして眺めてて気が付いたんですが、私はオオスジイシモチの求愛行動(多分)をまじまじと眺めたのって初めてのことなんですよね。

 ネンブツダイのものと違うのは、なんでかしらないけど二人でひたすら回り続けること。なんで回るんですかね。で、同じなのは時々身を寄せ合ってブルブルッッと震えることかなあ。巧く撮れてないので、ブルブルッッが映ってないんですが、回ってはちょっと離れそして回り 時々身体を震わせてました。お腹の大きさがよく解んないんで、直ぐに産卵するとは思えなかったんですが、オオスジイシモチがこうして堂々と目の前で求愛行動を見せてくれてるって、今までどうして気が付かなかったんだろう。

 健康な二匹がくるくる回る姿は、産卵してなくても十分微笑ましく嬉しいもんです。
目立たない普通種の行動を、じぃいーーっと観察して楽しい方が、私の身近にどれだけおられるかは存じませんが、私はどうしても普通種の行動がしみじみと好いです。そして問題はやっぱりそれでもよく解ってないことで、オオスジイシモチがくるくる回ったその暁はどうなるのか、くるくるはまだまだ恋の序曲なのか、それとも既にクライマックスなのか、この続きを御存知の方は次なる観察の手掛かりにしたのでそっと教えて下さい。

……ホントに教えて貰えたらいいなあ……つづく〜