2009/09 Diving log 鹿児島 錦江湾

錦江湾 4 +その後 09/10/10 (土)

 ブログと話が重複するようですが、鹿児島から戻ってまだ なんだかぼんやりしています。あまり他所の海に伺うことがないので、たまの旅潜水はインパクトが強いみたいです。三年前に錦江湾に潜った時も、枕崎にある<誰が見ても綺麗な海>である平崎より、錦江湾の方が 後々まで記憶に残る海でした。

 でも、別にわたくしは変人じゃあありませんので、綺麗なものがすきですからね。

海の中にも 病気はある

 口元に腫瘍の出来てるクマノミ 

 
 錦江湾のインパクトは、他所から訪れた人間にとって明らかに違和感ありありの桜島、そして噴煙と灰とその下に暮らす生活にあります。山口も春は黄砂がやって来て、その時期は布団が干せず車も洗う気がしませんが、それは時期的なもんなんで まぁ暫くの辛抱と思います が、桜島は春夏秋冬絶好調の花咲か爺さんなんですよね……。

 海の中も、陸の上も、ああここは<かごしま〜>なんだなあと ええ ほんとに。

 こんなわたくしもね、いちおう人間なので普段は顔を出している陸地の地のことしか、意識にはないもんです。しかし、ここまで元気な山と更に沖にある島の話をして頂くと、海の水があっても海の下も地なんだったわーとか、ああ そこんとこも今更ながら衝撃で、呼び戻しても呼び戻しても 心が見えない遠くを眺めてしまい、ボー……っとなっちゃうのですよ。補足*海洋生物ネタが少なくって、正統派ダイバーに面白くないログですんませんね。

 

錦江湾 3 +石と砂 09/10/07 (水)

  コガネスズメダイ←だろうと思います。暗い岩場に産み付けられた産卵床を守るオスの姿は、いままで観てきたスズメダイの行動と同じですが、結構サイズがあるスズメダイなのでとても観察し易かったです。なんでか解らんけど、ダイバーはなんでもかんでも小さいものが好き(のようなきがする)ですが、人間の目に応じたサイズの生物は、安心するってもんで ええ。

 動画では岩の上に産みつけられた卵が解らないかもしれませんが、無防備なんじゃないかと思うほど岩の上に卵が晒され、その上でお父さんは卵のお世話。もう、こんな姿は見飽きたよなダイバーもおられるでしょうが、わたくし コガネスズメダイとは初対面。いきなり微笑ましい姿を拝見しちゃうと、暗い海底でほんわりする。問題は……やはり暢気でいられる深さじゃないことかなあ。

熟睡中の目 だそうで……

 鹿児島から戻り、そして砂を洗い 乾かして小瓶に詰めながらいろんなことを思い出します。充実した2日間はとても2日の間にあったこととは思えません。初めて錦江湾を訪れたときも、この湾に浮かぶ軽石に目を疑ったのを覚えています。そして今回も、ボートの横にちいさな軽石が幾つか浮かんでいました。間違いなく私は違う地の海へ行ったのです。

 陸も海底も、地面は地域の違いを教えてくれます。何度も同じことを書いてるので、またか…ですが、またか です。地元ばっかで潜る私が、慶良間へ初めて行ったとき、浜一面が珊瑚の骨格なのに仰天し わあ わあ なんてなんてことだと骨の上をチャリチャリ歩き回ったことがありました。

 珊瑚礁の浜は白くてうつくしいと人は口々に言い合い、南の海の写真は世の中に氾濫しています。が、それがどういうことなのか、私はちっとも解ってなかったのです。慶良間の浜にある数多の生物の生きてきた欠片は、地面というものとなり海へ続き、白く遠く続く遺骸の上に更に溢れんばかりの生物が生きている凄さ。
 ああ、なんてうつくしいことだ!と 私は心から感動しました。

華奢なカラダ

ウミウシ全盛時代が ダイバー初期になる私は ウミウシを拝む習慣がついてしまっている?

 素人故、難しいことはわかりません。わからないけど私は地面から伺えることがとても好きです。錦江湾の海底の砂を洗って干したもの一つ一つ眺めると、熱によりリサイクルされた噴石と伴に、その環境で生きてきた生物の欠片がみつかります。微小貝とよばれる小さい貝もあります。微小貝はそれだけ除けて小瓶に詰めます。詳しいことは知りませんが、微小貝も地域によって何気に違います。

 海には命が消えても遺骸を残さないものが多く、生きてきた命の多さはどればかりかと胸が躍ります。その一つにウミウシもあり、また貝と思ってきたものは貝の遺骸であったことなんかも ぼんやり考えたりします。残ったものから生物を知り、遺骸の残らない生物を想像し、また遺骸の姿だけで、生きて生活している姿を知らない生物がたくさんあるのだろうななんてことを考えます。

 ざりざりと砂や石を撫でながら、お弁当に降り続いた桜島の灰、陸にある街、桜島を辿る海底、そこに暮らす生きるものたちや、春になると山口にも大陸からやってくる黄砂のこと、海の向こうにあるその大地を想像し、また ざりざりざりと ざりざりざりと砂や石を眺め撫でるのです。ざりざり……。

……ざりざり つづく。

 

錦江湾 3 +おばちゃん 09/10/03 (土)

頭に上は 全部 ごはんごはん

 灰をお腹いっぱいに溜めている海底は、濃いスープになっているのでしょうか。埃かと海中に目をやると、浮遊するちいさな生物がたくさんいます。捕えて顕微鏡なんかで確かめると、錦江湾を更にDeepに感じるだろうな。勿論生物は持ち帰っておりませんし、そんなこともしてやしません。例えしても、わかりませんわかりません。素人の私が、そうだろなと思いながらぼんやり海中を眺めていたってだけです。

いたるところで 海中を泳いでた貝

 濃厚な海は向こうが見えず、ぼんやりと緑に翳み、深く進めば光も頼りなくなります。その中でも生物は濃度を失わず生きていたように思った というのが今回のダイビングの感想です。つまり、ひとの生活圏も含め、海底の斜面沿いに斜め切りしたものが頭に残ります。鹿児島 錦江湾の場合は、ダイビングポイントとして奇妙に街に近いので、湾にビルやマンションが迫り、視覚的に説得力があります。しかし、地域でその内容が多少違っても、生物が共存するとはこういうことなんだろうなと思います。

ポリプを食べてる貝

 そしてその湾の根元から空に立ち上がる桜島。ホントに時々バフッと噴煙が出ている。というか常に出てる。ヨソモノにはね、なんでこんな危なっかしいところに これほどの街があるのか不思議でたまんないですよ。鹿児島にいる間、喉がイガイガしてました。しかし、街ではだぁ〜れもマスクをしてません。車にも道路にも、弁当にも繁華街にも灰が降り、錦江湾の海底の生物と一緒に灰を纏っていますが、街の匂いは鮮やかでやまぐちぃ〜の私には 明らかに南の街を感じます。なんと言っても人がね、、、山口の人とちがうきがする。

 ダイビングが終わったスーツ姿のまま温泉(銭湯みたいなとこ)に行きました。で、洗い場でわっせわっせとスーツを脱いでいたら、裸のおばちゃん達がいつの間にか集まってきてて、「脱げないの?脱げないの?」「手伝おうか?ねえ 手伝おうか?」と言ってきました。スーツを脱ぐ途中は脱皮のようなもんなんで、ちょっと時間がかかります。頭も顔もスーツに埋もれたまま、「いえ いいですー だいじょうぶですー。」と叫びつつ、ばふっと脱ぐと、おばちゃん達はまだ離れず「ねえ それって痩せるスーツ?ねえ 痩せるスーツ?」と、お前の着ているものはなんだなんだと聞いてくるのです。

 ウエットスーツでダイビングのものと説明すると、おばちゃん達は「痩せるんじゃないんてー サーフィンでもないんてー。」と語り合いながら浜のカニのように離れてゆきました。なんかもう可笑しくて湯に浸かりながら一人で笑いを噛締めるしかなかったのですが、優しい街に来てるなあとしみじみしました。

……つづく。

 

錦江湾 3 09/10/02 (金)

 アカオビハナダイの群れ、そして錦江湾のちょっと深めなところの動画です。暗いのと、私がライト等 撮影に適した機材を持っていないことで画質が悪いのですが、<どんな感じか>はわかるかな って意味で紹介します。

 

 簡単ですみませんが私は今から仕事にでます。ではではー。

……つづく。

 

錦江湾 2 09/09/30 (水)

 人に伝えるには、どんな生物を見たか そして撮影物でその海が伝わるのかもしれませんが、滅多他所に出掛けないもんで 旅先というだけでわたくしは結構舞い上がってます。個人的な感想も、何時もとは当然海の様子も違い、固定の生物を見てどうこうというより 錦江湾全体の印象そのものがヨソモノに強いインパクトがあります
 鹿児島は四度目、そして錦江湾は三度目。錦江湾だけ数えれば過去5本潜ってますが、久しぶりに潜る海は初めて潜るにほぼ等しいです。

 ハナダイやネジリンボウ等、錦江湾をダイバー視線で代表する(?)生物については、ちょっと潜っている方なら錦江湾に入ってなくても知識として御存知なのではないでしょうか。残念ながら錦江湾でこんな生物を見て撮ったよという写真が無い(ほぼ全滅)こともありますが、生物より錦江湾の印象をさらーとお伝えします。

えび ですね えび

ネジ畑にも えび

 山口の海で例えれば、須佐の海より遙かに青海島に近く、船越と紫津浦を足して更に南国風に濃くそして黒々と仕立てた感じ。個人的にその印象は、やはりベースとなっている<じめん>にあるのではなかろうか、、、と。あくまでも私の印象で言ってますからあしからず。青海島そのものは地球が元気だった遠い過去の火山の名残りがベースにあります。海底に顔を出している観光名所(?)の奇岩も溶岩が固まったものだと伺ってます。私は、あの岩を見ると どっぱんどっぱん打ち寄せる波に長年耐え続ける溶岩の塊というものは、なんとエライものだとつくづく感心するのです。

 さて、錦江湾ですが当然ここにあるのはまだ生きている火山。灰を被り灰を食べ、灰を吸いながらボートで過ごし海に入ると、見上げる桜島はつまり氷山の一角であることを海底で知ります。錦江湾のどう見ても意味ありゲな湾と山の設えは、海底で成る程、これはある意味見たまんま……と納得する傾斜を呈し、遙か海底に黒々とその景色の先が消えて見えません。いつまでも結構な角度で傾斜というのは落ち着かず、そこに白々と柳のようなムチカラマツが錦江湾を演出しており、誠に妙な気持ちになります。

 その黒い海底の足元に、どうやらダイバーが小躍りするらしいピンクダートゴビーが暮らし(結構な数いるそうです。私はこんな深場にいるのは お前かっ!と、横目チラとしか見てません。)、そしてここでは浅い場所で 稀種アカオビハナダイがネンブツダイの如くびらびらと群れを成しています。更に浅場ではサンゴイソギンチャクやクマノミやガンガゼが辺り一面踊ったり歩いたりしており、手が届く程(届きませんが)浅い砂地に戻ると、掃き集めたいほどネジリンボウが暮らしてます。

 つまり濃いのです。いっぱいになった頭でボートに乗り 潮風に吹かれ 灰を吸いながら鹿児島港側へ近付くと、今度は陸に造られた街の建物が濃く迫り、今しがた観てきた各エリアで群れを作る生物がどっと思い出されます。車に移動して街を通過すると更に街にも生物の塊をみるようで、いきるものとは凄いものだと思うばかりです。
 個人的感想です あくまでも。

……つづく。

 

錦江湾 1 09/09/28 (月)

 鹿児島から戻った翌朝は早出、そして仮眠後深夜勤務。そのくらい大丈夫、行こうと思ったら行かねばダメと錦江湾へと向ったのですが、私が海へと向う目的はなんだろうと、そこんとこ何となく考えた二日間でした。
 サービスは海案内さん。潜水時間どれも約90分。水温25〜27℃。波なし。天候晴れ・曇り。

赤いハナ 満開でした

 25日

1・沖小島(オコガシマ)

 

max28.7m/ave12.0m

 

2・西の根

 

max 27.4m/ave 10.3m

 

 

26日

1・桜島観音崎

 

max 51.8m/ave 13.4m

 

2・沖小島ゲンコツ

 

max 30.4m/ave 12.4m

 観察生物 アカオビハナダイ・ネジリンボウ・クロユリハゼの一種(通称ピンクダートゴビー)・シロハナガサウミウシ・ナガシメベニハゼ・アオサハギ・カザリイソギンチャクエビ・ヨコスジイシモチ・ゲンロクダイ・キサンゴ・ハシナガウバウオ・卵塊保育直後と思われるタコ・泳ぐ貝(名前忘れた)・オニベニハゼ・サンゴカクレガニ・ゼブラガニ・イソギンチャクモエビ 他甲殻類多数 他 なんかわからんけど多数。名前が解らないで残念ですが思えられないのと思い出せないとの、証拠写真もないんで後の祭りなのです。しかし、こんなん書くとログらしいなあ(←かつてない)。

……つづく。