山口の海で例えれば、須佐の海より遙かに青海島に近く、船越と紫津浦を足して更に南国風に濃くそして黒々と仕立てた感じ。個人的にその印象は、やはりベースとなっている<じめん>にあるのではなかろうか、、、と。あくまでも私の印象で言ってますからあしからず。青海島そのものは地球が元気だった遠い過去の火山の名残りがベースにあります。海底に顔を出している観光名所(?)の奇岩も溶岩が固まったものだと伺ってます。私は、あの岩を見ると どっぱんどっぱん打ち寄せる波に長年耐え続ける溶岩の塊というものは、なんとエライものだとつくづく感心するのです。
さて、錦江湾ですが当然ここにあるのはまだ生きている火山。灰を被り灰を食べ、灰を吸いながらボートで過ごし海に入ると、見上げる桜島はつまり氷山の一角であることを海底で知ります。錦江湾のどう見ても意味ありゲな湾と山の設えは、海底で成る程、これはある意味見たまんま……と納得する傾斜を呈し、遙か海底に黒々とその景色の先が消えて見えません。いつまでも結構な角度で傾斜というのは落ち着かず、そこに白々と柳のようなムチカラマツが錦江湾を演出しており、誠に妙な気持ちになります。
その黒い海底の足元に、どうやらダイバーが小躍りするらしいピンクダートゴビーが暮らし(結構な数いるそうです。私はこんな深場にいるのは お前かっ!と、横目チラとしか見てません。)、そしてここでは浅い場所で 稀種アカオビハナダイがネンブツダイの如くびらびらと群れを成しています。更に浅場ではサンゴイソギンチャクやクマノミやガンガゼが辺り一面踊ったり歩いたりしており、手が届く程(届きませんが)浅い砂地に戻ると、掃き集めたいほどネジリンボウが暮らしてます。
つまり濃いのです。いっぱいになった頭でボートに乗り 潮風に吹かれ 灰を吸いながら鹿児島港側へ近付くと、今度は陸に造られた街の建物が濃く迫り、今しがた観てきた各エリアで群れを作る生物がどっと思い出されます。車に移動して街を通過すると更に街にも生物の塊をみるようで、いきるものとは凄いものだと思うばかりです。
個人的感想です あくまでも。
……つづく。 |