2009/11 Diving log

晩秋の浅瀬で 続編 3 09/12/01 (火)

 エチゼンに詳しくともなんとこもないのですが、こんな具合に親近感を持っているわたくし、エチゼンに群れるウマズラハギ等を思い出し、そうだ 確か……と思うには、元気ハツラツエチゼンに群れ集まるウマズラはいなかったような そんな気がするなあ。撮ってきた写真や動画を見てもそうだし。

 ハツラツ時代、エチゼンに守られようとする魚たちが傘の奥に見え隠れしてるだけ。そいつらもエチゼンに守られつつ時々食べているらしいのですが、本格的に生餌とされ大群に襲われるのは泳ぐ力が足りなくなったよーなエチゼン。

 てな印象。

死骸もでかい

 で、これはエチゼンとは全く関係ない話なんだけど、自分の弱みってあるじゃん。それって場合によっては人に見せないよーに隠したり、傷付いていることを悟られないよう元気そうに振舞ったり、威嚇したりとか そんな心理って人にはあるじゃん。あれは弱っていることを周囲に悟られることで襲撃に遭ったり、仲間から阻害されたりするよーな 自分の不利益を避ける動物のココロなんだそうな。
 弱ってると悟られたエチゼンは、生物の法則通り敵を呼び込み、途端に生餌の扱いとされちゃうのかな。

 いえ、ホントの事は知らないんで、そのヘンのエチゼン&ウマズラハギの関係は私の想像なんですけどね。どこからどこまでが彼等の賞味期限の目安なのかもわかんないですし〜。

 

晩秋の浅瀬で 続編 2 09/11/30 (月)

浜辺というものは リアルなの

 ダイビングが趣味のHPなんですが、こんな写真をUPする日が来るとは自分でも思ってなかった ええ。

 しかし、ネタたエチゼンで更に冬を迎えるこの季節となると、こんな塩梅です。山口県日本海沿岸、エチゼンが流れ着く浜はそこかしことある筈ですが、エチゼンが珍しい地域の方にご紹介すればこんなんです。

 潜ったとき、ちゃんとカメラが動作すれば漂うエチゼン、息絶え絶えのエチゼン、動かなくなったエチゼン、まだ小魚を抱え泳いでいるエチゼン……と、エチゼン三昧だったので、やっぱり写真がないってのは悔やまれますね。エチゼンをWebで検索すれば、エチゼンを善きに取り扱ったものは無く、強い負のイメージもりもりです。

 私もエチゼンエチゼン言いながら、決してこれを美しいだの 可愛いだのと思っているのではありませんよ。けど、毎秋決まってやってくるんで親近感はあるなあ。

 すみませんね、漁師さん。

いくらでも漂ってる

 さて、浜に揺らめいでいるエチゼンの亡骸。ええ、ご覧の通りウマズラは一匹もいません。浅いからじゃありません。賞味期限が切れてるからだけでもないと思います。海中でも、この日見た中にウマズラがたかっていたものは一つもありませんでした。まだ小魚を触手辺りに抱え泳いでいるもものです。エチゼンにウマズラハギが常に集まっているものではありません と、思います。実際そうです。

 どういうタイミングなのか存じませんが、気の毒な程ウマズラハギが集まっているエチゼンの方が珍しい(つまり全部じゃない)。季節を巻きもどし、見るからに不味ゲな時期でなく、フレッシュエチゼンの季節でも、意外と毟られてないもんです。あれってどんなタイミングでウマズラの襲撃に遭うことになるんでしょうかね。

……つづく。

 

晩秋の浅瀬で 続編 1 09/11/28 (土)

 11月吉日 久々の須佐ダイブ。しかし、カメラ不調にて写真は一枚もありません。
 数々のエチゼンクラゲが力尽き、そして断片となって浜から浅瀬にべたべたと流されたいる光景は、晩秋から更に冬へと近付いた海をみるようでなかなかなもので、撮影出来なかったのは残念ですが、冬へと向う浅場を自分の目でゆっくりと楽しむのも、潜り始めの頃を思い出すようでいい時間でした。ほんとに。

 まず はじめに、わたくしは漁師ではありませんので、エチゼンの被害については話せません。一人のダイバーとして思うことだけです。エチゼンは昨年はほとんど姿を見ることなく冬を迎えたように思います。結構長い期間エチゼンは秋の海を漂っているので、ちょっと潜らなかったら時期を逃すというものではないと思います。そのエチゼンがいない昨年は、なんとなくさみしい海でした。

 潜っている方は御存知でしょうが、どの生物もその年々で波があります。多く姿を見る年、少ない年。生物の数を捉えるのに、数年単位じゃ話にならないということが、その年のバラつきで素直に納得出来きます。昨年姿を見せなかったそのエチゼン、今年はちょっと多目にいるように思います。多くいるけど通年より小ぶりですね。まだ二回りくらい大きくても良さそうだし、インパクトもライオンの頭部並なのに、インパクトもお子様規模でもの足りません。が、こうしてチビエチゼンが波打ち際にゴロゴロしているところをみると、当然これで十分大人さまで、今年は<小柄エチゼン子沢山の年>なんだなあと感じます。

 エチゼンの残骸を避けて海に足を浸け、エチゼンを掻き分けてエントリー。いいですねえ 日本海ダイビングらしくって。いいんですよ、すごくいい。これがこの地域の海ってもんです。この海の向こうに間違いなくエチゼンの里があるのだろうし、それをとても実感できるってもんです。ダイビングの目的に決まりなんて無いんで、青い海でサンゴと熱帯魚やマンタやサメ、そして深海魚ばかりがエライんじゃ無いってもんです。
 花が季節ごとに咲くように、山が紅葉で染まるように、日本海沿岸にエチゼンがやってくる。それは春を告げる赤潮のように季節を告げる海の生物の中の一つです。

 ちなみにエチゼンの触手はちゃんとスーツはグローブで防備してたらそう問題ありません。前回、わたくしが手首がエチゼン被害に遭ったのは、右手用のグローブを随分前慶良間で紛失してて右手のみボロ軍手で潜っているためでです。寸足らずの軍手から出た手首にエチゼンの触手を絡めると、やっぱり数日相当痒く 就寝中に掻き毟ってしまい、なかなか治らなかったのです。でも、この程度なら他の海洋生物でも同じなんで、エチゼンだけ特別ってことは無いですね。じろじろ観察して、ちょっとくらい近寄っても噛み付きもしないし大丈夫さんです。と、思います。

……つづく。