2010 6月 Diving log 2

 ウチワカンテンカメガイ という貝 10/06/19 (土)

 エントリー以前から、浜一面ウチワカンテンカメガイまみれだったのですが、初顔合わせの耳慣れない名前をもつ泳ぐ貝についてWebで検索してもあまり詳しいものが探せません。参考として引用させて頂くページ(クリック)簡単な説明があるのでご覧下さい。

 ここにある「本種の殻は石灰質で出来ているほかのカメガイ類の殻とは違い、脆弱な寒天質で出来ている」「容易に殻が外れてしまう」については正にその通り。浜に打ちあがったウチワカンテンカメガイには既に翼が解らなくなった寒天質の殻のみの状態がごろごろしてたのですが、中にはカラダが残っている状態のものもあり、透明な存在でも命あるものが息絶え絶えに死を待つ姿は痛々しく、おおお……と摘まんでみると、力を入れなくても葡萄の実が剥けるより容易くカラダが外れてしまったのでありました。

▲ 青海島 お馴染みのエントリー浜
波打ち際には一面の寒天物

▲ 観光客が珍しげに近寄り
口々に これは何だ クラゲか…… と

▲ 新鮮な貝……?
感触は見て想像する通りの堅さで綺麗でした

▲ このブツブツした楕円物が貝の殻
貝そのものは簡易に殻から外れます

 寒天状の殻は海中では透明でつるっとして見えるのですが、浜にあるものを見るとぶつぶつです。青海島名物観光客(観光地よりダイバーを珍しがる観光客の方がある意味名物)が、この打ちあがった寒天質に「これはなんだなんだなんだなんというものだ」と、聞いてくるので「貝です…」と答えると、嘘をつくな目をして「これはクラゲだ」と言いました。気持ちはわかります。貝を無くした貝には 貝の痕跡を多少残したものもいるのですが、このような寒天質殻なんですってのは本当に面白いです。

 ともあれ これは貝です。一面の遊泳する貝。ダイビングは透明度を海の価値の一つにするところもありますが、この濃厚な遊泳する貝の海は素晴しいものです。動画でご覧ください。

 透明度が高い=素晴しいダイビング と価値付けられがちですが、生物が好きな人は遊泳する貝で辺りが見通せない、そのくらい濃厚であるということに感動するのではないでしょうか。貝は貝殻のことだと何故か思っていた子供時代、こんな景色を想像したことはありません。貝は自己表現しない 大して動くこともない静的な生物だというイメージを見事に塗り替えてくれる素晴しい景色です。

 ウチワカンテンカメガイの中に、上の写真にあるように糸が伸びているものがいますね。中心にある種のような点以外は透明なので解り難いのですが、ほとんどの個体は糸の無いように見えました。しかし、中にはこんな糸付きのものもいます。これは何なんでしょう。
 あまりにもたくさんいるのに、二本目は腹痛でマッハEXしてるので全く無念の至りです。ごっちゃり遊泳している貝は混雑の余りぶつかって絡まったのか、交接なのか解らない合体状態もいたし、至る所でイソギンチャクに捕獲されてるし、ウチワカンテンカメガイだけで満腹になるダイビングです。そうそう、イソギンチャクに捕獲される瞬間ってのも初めて見ましたね。本当に一瞬ビリッと痺れたような動きで掴まっちゃうんですねえ。ん?どした?と思ったら掴まってた そうか イソギンチャクかあって感じでした。