2012/04 Diving Log

なんでかここで クジラの唄 12/04/13 (金)

 今年はクジラを観にゆけませんでした。が、今回のダイビングでは潜っている間、ずーっとクジラの声が響いていました。全然狙ってなかったんで、「おおお!」と思いましたね。自然界にいる海洋生物なんで、この春の沖縄の海にクジラはクジラの事情によりちゃんといる。そうしてわたくしは春の沖縄の海の唄をきいている。
 うれしいなあ。

 相変わらずのコンデジで撮影。自分の耳では聞こえても、果たして録音できるのか心配でしたが撮ってみました。まだ鳴くのか?と思うほど潜水間よく聞こえていたのに、やはりというかあまり声が記録出来ていません。が、耳を澄ませば解ります。クエーっと表現したらいいのか、ヒョーっと表現していいのか、筒を鳴らすような音がクジラの声です。

 クジラの声を聞けて、春の沖縄の海に来てよかったな。

 ここ数年、春先にはクジラを楽しみに座間味へいっていました。クジラを自分の目で観るまでは、クジラというものは象やキリンのようにこの世に確かにいることはいても、自分の身の回りにいるなんて信じられなかったです。山口では下関や長門で捕鯨をおこなっていたってな関わりもあるんですが、それでも波止場で釣り糸を垂れ、小アジを釣り上げているのとはわけが違う。クジラが傍にいるなんて、庭にカバが歩いているようなイメージです。それ程、自分からは遠く離れた世界としか思えなかったってもんで。

 それが一度クジラを観た日から、春に沖縄辺りを旅だったクジラが、きっと山口沿岸も通り北へわっせわっせと進んでいくのだ、目の前のこの海に絶対いるのだと手を握り締め、視力悪い目を細めてクジラのブローを何度となく探しましたわ。

 ま、見つかりませんけどね。

 んで、今の時期 やっぱり沖縄の海にいると、こうしてクジラたちがわあわあ唄っている。いるんですよクジラ。それもちゃんと身近にいるんですよ。どういえばいいですかね、流行りのエコやナチュラリストの言葉で言えば、同じ環境を同じ生物として共有している感動…とかなんとかいうんですかねw

 クジラは海の中で話しをしていました。クジラはお子さんを生んで、北へと帰るらしいです。帰る姿はみかけてませんが そうらしいです。

 

なんでかここで ソラのネタ 12/04/09 (月)

 海はただ、特別なものに出会わなくても暢気にそこにいるだけで楽しいもんです。ことに遠くの海になれば、そこに行き着いたというだけで十分楽しい。ソフトコーラルが揺れていると、どっかのマンガのクマノミのよーに、柔らかな中にまみれてすりすりしたくなる。しませんけどね。

 しかし、なんというか沖縄に来てまでなんとなく頭に残るのは、潜る前につい雑談ネタとした「ソラスズメダイ」の体色変化。どこにいっても、結局は身近な生き物の不思議に戻ってしまうなあ。ソラスズメとルリの違いについて簡単に教えて貰ったりなんぞすると、頭からソラが離れず山口のソラは今頃どうしているだろうなんて思ってしまうじゃん。

 遠くの海に入ると、結局はどこかで地元と比べていて、地元とどう違うか目で判断している。違いが解る程潜ってもないし、知識もないんで大したことも考えられないのが無念でもありますが、、、旅は普段見慣れぬものや味に楽しみを感じるってなよーに、海でも基準は自分の地元、同じですね。

 いやしかし、目が肥えて、同じ種類の生き物の地域差が解るほどの潜り手ってのになってみたいってもんですな。なってどうなるってんでもないですけどね。

 まあ、そうした時間を生きれると自分が楽しいだろなってところでね。

 

 山 笑ふ 海 笑ふ 12/04/08 (日)

 準夜を終えての朝旅立ち、一泊二日でOkinawaぁ〜へ行ってきました。で翌日の今日はふつーに仕事です。やってることはまるで若者ですが、わたくしもね、もう年が年ですので正直こたえてます。
 が、もういっそのこと死ぬまでこのノリでいられたら…と思う次第。

 ま、こうして潜れるようになりまして、精神的も本当に春がきました。沖縄へはホントはサンゴの産卵時期に行けたらいいなとか思っていたんですよ。少し早い海の中でソフトコーラルを眺めながら、「さんごのさんらん」っちゅーやつを、いつの日かこの目で見れたらいいななんておもいました。思いながら、いやいや 今でもこうして「おきなわのうみ」ってものにこうして何度と訪れることができている幸せを噛みしめてもみる。

 好きなことや やりたいと思ったことをやれる嬉しさ。たまらんね  でへへ。

 機内ではオールナイトニッポンなんぞをイヤホンで聞いているんですけど、春をネタにしたトークで俳句の季語に「山笑ふ」って話しがながれましてね。山笑ふって言葉は何気に見たことがあるんですが、それが何を意味するかを知らないでおりました。ラジオ曰く、これは俳句の季語で「長い冬を終え、山が笑いだすほどの春の嬉しさ」を表現するものらしい。おおお なんかわからんが春をむかえ、山が笑いだす。ニュアンスはわかるぞ全くそうだと思いましたね。凍てつく冬を乗り越えて迎える春の嬉しさ、輝かしさ、萌える木々の芽や花の喜び。山笑ふとは正にその通り。冬を越えた生命が身体中でよろこんでいる。

 春を迎えることのできた喜びを、山が笑いだすようにわたくしも笑おうとおもいますよ、海の中でね。