2012/04 Diving Log 

 ヒメたちの春 12/04/22 (日)

 ヒメギンポの産卵行動をじ〜ろじ〜ろ見てきました。超普通種で、超長い事その行動を昼間にお披露目してくれる魚なんで、ちっとも珍しくはないでしょうが私は好きです。潜るようになって最初に撮影したのがヘビギンポの産卵行動でして、撮影した後 もっとこう撮れば良かったとか色々歯痒い気持ちが残り、次の春を随分楽しみに待っていたもんです。
 が、その春を迎える頃 私は青海島から暫く離れることになり願いは叶いませんでした。

 で、今回 ヘビではなくヒメで撮影。嬉しいですねええ。やっぱ普通種が繰り返す海の四季、これが基本ですよ(自分には)。雌もブルブル震えて産卵を行い、雄も人生一番の晴れ舞台だとあっぱれヒレ全開。

 雌の産卵管も肉眼で十分確認できる。ダイバーは大抵見ているだろうから、「しっとるわ」といわれそうですがイイのです。野生生物ヒメギンポの産卵管が岩壁に向って小刻みに動く様子をみていると、産卵管っちゅーのはどんなもんなんやろとも思いますわ。私には産卵管はございません。こんな風になったら子宮脱です。

雄は明らかに顔が黒い が、雌もどの写真を見ても顔がちょっと黒い
夫婦で黒い顔 そして身体はドット柄+トラ柄

 写真の撮れ方もあるのでしょうが、撮影した写真ではヒメギンポは雄も雌もボディは縞模様が浮き出ていますね。以前須佐で撮影した真冬のヒメには縞模様はなく、不規則なドット柄。この魚の婚姻色として雄の頭の黒さばっかり目がいくけど、雄も雌も繁殖期は身体がトラ柄になるんですねえ。
。魚は人間と違って色を感じる視細胞の種類が多いそうなんで、ヒメギンポ等はわたくしと又違うお互いの体色や模様をみているのだろうし、その身体が示すメッセージを読んでいるのだろう。

※<錐体細胞と色覚について>天下のWiki参照

こんなん考えていると、小学校の頃受けた色覚検査を思い出すね。中途半端な色彩で書かれた微妙なデザイン文字が、「しきもう」だとどう読めるのだろうと妙に興味をそそられたもんです…不謹慎ですが。

 2006/12/31山口県萩市須佐
 ボディに 縞模様はなくドット柄のみ

 2006/12/31山口県萩市須佐
 上から見てもボディに縞模様はない 

 2012/04/20 山口県長門市青海島
雄のヒメ 顔まっくろ

 2006/12/30 山口県萩市須佐
意地のない顔(…に見える)

 それにしても私は人間なんで、人間として考えてしまうしかないですけど、今、わたくしって繁殖期でーす!と顔が真っ黒ケになるのは抵抗あるわな。顔も頭も真っ黒で、身体がトラ柄、わかりやす過ぎるこの顔面+ボディメッセージはヒメギンポ的にはどう読み取れるものなのだろう。